診断メーカーで遊んでいたらこういうものが出まして。
 
 
せっかくなので書いてみました。
 
例の雪合戦のあとのお話。
 
最終的にムヒュルの中でのプニってどういう存在だったんだろう?
 
 
※この記事は韓ドラが好きすぎて、

ひたすら個人的に楽しむために書いた二次創作品です。ご了承くださいあせる

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水の気配がした。

さぁぁと耳に響く霧雨の音。
目を開けると遠くに見慣れた後ろ姿。

 

 

 

「バンウォン?」

 
目を凝らす。
 
髪を結い上げ、全身を黒い衣の包まれたバンウォンは
霧雨の中で小高い丘の上に立ち、前を見つめている。
 
 
彼の前には細く荒れた道がある。
道の先は霧雨で霞んで見えない。
 
 
そして、雨のせいか辺りは薄暗かった。
 
 
もう一度、同志の名を呼ぶ。
 
 
「バンウォン」
 
 
「バンウォン様!」
 
 
ようやく呼び声に気付いてバンウォンは振り返った。
 
 
 
 
一瞬泣きそうな顔をして微笑む。
 
 
 
その表情は髪を結い上げたせいか、随分と大人びてしまったように感じた。
 
 
 
自分と2つほどしか歳は変わらないはずなのに…。
 
 
そんなことを考えてるうちに、バンウォンはプニに背を向けゆっくりと歩き出す。
 
 
 
 
『もう遊びは終わったんだ』
 
「……」
 
『その名を二度と呼ぶな』
 
 
 
 
耳に残るのは、焚き火の前で嗚咽するバンウォンの声。
 
 
 
 
 
もう、彼の姿は見えなくなっていた。
 
 
 
「待って」
 
 
 
伸ばした手が柔らかな霧雨に触れる。
 
これは雨じゃない。
 
 
 
誰かが泣いている、その涙だ。
 
 
 
 
『私は大丈夫ですから』
 
 
 
 
「あれは、嘘よ…平気なフリをするしかなかったの…」
 
 
 
 
 
ああ、この霧雨が、雪でなくてよかった。
 
あの人の泣き顔を思い出してしまうから。
 
 
 
 
「プニさん!!」
 
「!」
 
 
突然の大きな音に驚いて、目を開けると見慣れた顔が近くにあった。
 
 
「剣士様…」
 
 
 
辺りを見回すと、縁側の柱にもたれかかっていることに気がつく。
 
すぐそこにはバンウォン達の新しい屋敷。
 
 
 
そういえば、バンウォン達の分家にともない
、プニやムヒュル達も新しい屋敷に移ってきたばかりだった。
 
 
「大丈夫ですか?具合でも悪いんですか?」
 
 
「あ、ええ、大丈夫です、引越しでちょっと疲れたみたい」
 
 
心配そうにプニの顔を覗き込むムヒュルをよそに、
プニはいつものようにはつらつと答えた。
 
 
しかしムヒュルはそれに納得しなかったのか、
プニから視線を外し言いにくそうに訊ねる。
 
 
「プニさん、あの、ひょっとして…嫌な夢でも見ました?」
 
 
「いいえ、夢なんか…見てません」
 
 
「…そうですか。なら、よかった。
俺は…プニさんの夢の中までは助けに行くことはできないから」
 
 
後の方はムヒュルの声が小さくてよく聞こえなかった。
 
 
「?」
 
 
「いや、なんでもないです。
あの、プニさん。しんどい時は俺が力になりますから、言ってくださいよ?」
 
 
返事の代わりに少しだけ微笑み、頷いた。
 
「絶対ですよ?
あ、もちろん最初に頼るのはお兄さんかもしれないけど…
バンジが忙しい時は俺に頼ってください」
 
 
「ありがとうございます、剣士様。そう言ってもらえて心強いです」
 
 
 
ニコリと笑ったプニの顔にはもう涙の跡はない。
 
 
 
プニ自身が気付いているのだろうか。
 
自分が涙を流しながらバンウォンの名を呼んでいたことを。
 
 
 
そして、その涙をムヒュルがそばで拭っていたことを。
 
 
 
「さ、プニさん。ここにいたら体が冷えてしまいます、早く中に入りましょう」
 
 
「ええ」
 
 
ムヒュルと並び、使用人達の舎に向かって歩き出す。
 
 
 
 
きんと冷えた空気。
 
曇った空。
 
また雪が降るのだろうか。
 
できれば雨であってほしい。
 
 
ああ、そうか。
 
ぼんやりと脳裏に残るあの霧雨-
 
あれは、私の涙だったんだ。
 
 
 
「…夢の中でなら、泣けるのにね」
 
 
 
曇天よ、どうか霧雨をつれてきて。
 
 
 
また泣いてしまっても、誰にも気づかれないように。

 



<了>