僕は自分の全部がつまらないものに思えた。机の上にある消化器や呼吸器のピンクの何冊もあると重たい本が自分には似合わなくて仕方がなかった。
寝る前に川端康成や夏目漱石を読み想い更けるような落ち着き払った人にはなれないと悟っていた。
なぜか種違いの兄を思い出した。弁護士になりたいと言ってガソリンスタンド勤務だった男が突如学費を払って通信の大学に通い始めた。やつも今の僕と同じように自分の大半を気に入らなかったのではないだろうか。あまりにも一貫性がなかったやつの行動をどうとらえていいか僕も母も祖母もわからかったが、今はんな気がした。たぶん今なら、やつが家族ではなく赤の他人という条件下なら理解してやれるだろう。
そんなくだらないことがぽつぽつと浮かんでいるうちに睡魔が 襲ってきた。