DXは6G分散通信、AI(第三世代が主格であるが、第二世代も相応に進化)、ブロックチェーン、IoT/HPCなどのキーワードが連なる新構成の概念である。


ブログ62では、日本は「木を見て森を見ず」という大枠概念的な表現を使ったが、これは日本事業体の殆どは短中期に事業計画が集中しており、中長期計画は先延ばしにする傾向が強いという話である。

ブロックチェーンの非中央処理はGAFAMを否定する概念であるが、逆にGAFAMあたりは、自らが管理するビッグデータに対し、AI強化のアプローチを明確にしている。

ゆえに、事業デザインをどのようにDX的に描けるかという話になるのだが、前回のブログでは日本は「オフチェーン」主体の概念になっているという話であり、それ自体を悪く言っているように見えるかもしれないが、私が否定しているのは、そのデザインがオンチェーン構造に対して正しいバランスをもっているのか?というと既存デジタル技術の延長線上でしかないように見えてしまうという点である。

常に日本は短期間で成果を求める特性が強く、結果的に中長期に入る段階で事業デザイン(つまり、その時における収益構造)で負けるというのが続いている。

※通信や半導体の部分は積極的な補助が行われているのだが・・・・。


今回のDX構想も、今までと同じ負け路線に向かっているように見えることが悩ましい。


そもそも、「オフチェーン」に対して「オンチェーン」の概念があり、「オンチェーン」はブロックチェーン上の処理(処理の流れが記録される)を意味している。

ブロックチェーンではレイヤーの概念があり、メイン(基盤)チェーンの処理としてレイヤー1があり、その領域をセキュリティと分散性で説明している。

当然、システムバランスというのがあり、こうなるとレイヤー1ではスケーラビリティが駄目になるので、それを補完するためにレイヤー1に接続するサブ的なレイヤー2の概念が出てくる。


主に「オンチェーン」とか「オフチェーン」という概念は、実サービスの使いやすさを主体とした、この「レイヤー2」に設定されている言葉である。


「オフチェーン」というのは、ブロックチェーン以外の方法で対処する概念で、オンプレミスが主体で、そのAPI接続部分等までが該当する非公開処理である。

ちなみに、このレイヤー2における「オンチェーン」側が、「サイドチェーン」の概念である。


また、最近では、レイヤー1のコンセンサス処理を効率化することなどで、レイヤー2を持たないチェーンもあるので、色々と進化していることは確かである。


それと並行する形で、6G分散通信とペアをなすHPC概念があるが、これは分散コンピューティングを目指すもので、各レイヤーに関係することもあれば、AIのビッグデータ処理に関係する場合もあり、いずれにしてもHPCのユースケースは増えるのだと思う。

このHPCは、今までがスマホ進化であったことに対して、AIの時代にシフトする場合に深く関係する概念でもあるのだが、結果的に西本が言っていたAITというのは、HPCのクラスタやグリッドの構成概念に非常に近いものである。


ただ、私の中には、チェーン側を主体にするためにもう一つの概念があり、レイヤー1や2において、データ構造自体を制御する概念が重要であると考えている。

結果的にAIが出てくる時代における新概念(つまり、GAFAMアプローチではない)のビッグデータ構造を考えると、それがチェーン上で構成する場合に、今の暗号技術の主格であるRSAと同様に、ブロックチェーンにおいてもセキュリティ面で劣化する指摘がでてくるときにどうするのか?という疑問があるからだ。


多分だが、AIやHPC構造に対して日本は後手であり、その領域で対抗しても勝てない位に差が出てきたように思う。

だから、海外勢とは少し違うところ(つまりデータ構造処理)で、AITを実現したいというのが私の考えになる。


このあたりが整備できてこそ(日本流の)DXだと考えるのだが、この話は長くなるので、また別の機会にしたい。