DXのメインであるオープンの概念について、日本は対応が遅い状況に見えますが、世界的に見ても対応が難しいエリアがあります。

海外の場合は、対応できる部分(つまり小口領域)から先行するのですが、日本は重箱の隅をつついてしまい、なかなか進まないというところです。

さて、難しいエリアとは何かというと、いくつかあるものの大きくは以下の4つくらいが気になります。

 ①大口の金融領域で、これは量子計算機の暗号解析による攻撃が想定されるもので、現状は問題ないものの数年後には有効な手段がないため、下手に構築できない。

 ②個人情報のオンチェーン管理で、ブロックチェーンは台帳(チェーンが切れない)でありデータベースではないことから、個人情報の削除要求を満たせない。

 ③現状では先行開発や実際の利用におけるコストが収益モデルを超えていることより、サービス化に踏み切れない。

 ④セキュアと利便性は相反する関係にあるが、オープン型ゆえにセキュア側に重点を置いていることで、利便性が悪くなっているサービスが多い。


誤解のないように説明しますが、上記の①~④は期待ハズレのように見えますが、実はその大きなメリットを考えると、現状では問題ではあるものの、数年後には対処できていることで、いずれにしても世界はオープン化を進める方向にあることは確かだと考えます。

少なくとも、この1年でのオンチェーン領域の進化は素晴らしいものがあり、各段に良くなっていることも事実です。


とりあえず、上記の①~④に対応する必要があり、それは近い将来に解決できると考えている次第です。

ただ、現状では収益が得られない中で、大変な作業であることも事実であり、こういう先駆者はどれだけ我慢できるかが勝負所なのでしょう。


このあたりが対処できれば、政府が力説する「デジタル資本主義」の概念が実現できるわけで、それにより「リテール」と「ホールセール」のデータ領域における新事業概念が具体化することになり、結果的に第四次産業の経済循環が動き出すことになるのです。


また時間のあるときに、話題にしたいと思います。