暗号資産市場は「冬」と言われて数年経過している中で、最近は「春」が来ているのではないかという記事が出ている。
ビットコインETF、トークン化証券、ステーブルコインという、今までの仮想通貨路線とは異なる、既存の「現実」資産系のサービスを、さらにDX化する動きが具体化してきたことが背景にあるという報道です。
確かに海外などは一歩踏み出した感じがあるものの、まだ無理やりなところがあると思う。
この現実路線に関係するトークン類は「RWA(Real World Assets)」と表現されているみたいだが、簡単に言うと「DX金融」とか「デジタル金融」のことだと思うものの、相応に課題を持っている。
第三者対抗要件というもので、物はそのトークン自体に権利をもち、証券などは分離する2つの権利があり、その各々について一歩進み始めたものの、そんなに簡単なものではない。
暗号資産領域を投機から投資へ、さらにユーテリティ的なWEB3の使い方にしようとしているものの、投資は特性的に疑問があり、WEB3もインフラ構築にまだ数年を要しそうだ。
欧米では旧仮想通貨と呼ばれる領域に対して敵視する動きが大きくなっていることも事実である。
トークン化処理はDIDが認可されない中で発行体側管理が面倒で、RTGS的なリアルタイム処理を行えるインフラがない。
ステーブルコインは、小口リテール側の電決処理(電子決済手順等取引業の処理)はコスト問題が解決できず、大口側は銀行口座をリンク(つまり裏が全銀ネット処理)する電代処理(電子決済等代行業者の処理)であり、この2つの融合が非効率に見える。
ただし、世の中が第四次産業の立ち上げを望んでいるなら、これらは数年後に大きな一歩を踏み出せるくらいの内容を持っている。
ゆえに、大赤字でも対処している企業が存在しているのだろう。
ちなみに、データプロテクション(DP)という事業は、新規性のあるブロックチェーン単体の概念とは異なる分散処理になる。
クラウドはこの数年に大きな進化があり、オンプレよりも優位性の高いサービスが増えてきている。
金融機関の多くはアンチクラウドが多いものの、彼らが気にしている問題点をクリアできれば、クラウドを活用する事は頼もしい。
この新概念は、シングル暗号分散技術を進化させ、同技術を「マルチ」でデザインする構造にしている。
暗号分散技術自体が「マルチ」であるというのは、まだセキュア強度の面で欠点が見えていないと思うし、あれは単独のシングル機能が組み込まれている事に気がつかないと駄目だ。
完全にマルチにして、本来のデザインになるわけで、それがDPである。
ただ、内容が難しいみたいで、説明しても理解していただくのに時間がかかる始末。
いずれにしても、価値交換においては江戸時代の「物」が、明治維新から近年まで「通貨(紙幣)」が代替し、これからは「スワップ(デジタル)」という概念がでてくる。
デジタルの安全性があって、DXが安心できることになる。
安心できるデジタル社会とは何か、それはデータが確実に保証されることを意味している。
今までとは違う構造になるということで、相応に大変なわけだが大きな意味があることも事実だろう。