DXの分野について、何となく少し進み始めてきたように思う。

つまり、「実用化レベルの技術」として見えてきた部分が増えてきた。


「非金融」のユーティリティ領域は、基本的に「価値をデジタル的に物々交換」する概念を主体とし、金融とは切り離された自由度の高い経済ロジックを持たせることになる。

「金融」領域は証券や通貨のデジタル化という点が主体となり、保険が追随するのだと思うが、この領域は新旧が関係し旧態法律が足を引っ張る状況にあるものの、多少は前に進んでいると思う。

証券は第三者対抗要件あたりが大きく進化しそうで、それによるクリアリングあたりが革新的な構造に変わると考えている。

つまり、より直接金融化するという意味では、完全なるダイレクト型(つまり業務処理の完全自動化)になる。

そうなると、今までのような投資家層から、もっと単純な金融ユーザにまで簡単に対応できるような世界が出てきそうだ。


具体的には、1600万人位の投資人口が、6000万人位の金融ユーザ領域にまで膨れてもおかしくないような利便性を得ることになる。

証券の悪いところは利便性が良くないところなのだが、DXではそのあたりが改善される。

専門知識が必要な「投資領域」というよりは、効率的な金融サービスを無意識に使えるような、そういうものになるのだろう。

それに伴い、間接金融での中小事業領域は、デジタル社債の新しい直接金融的な概念で対応される可能性がある。

いずれにしても、DXでの金融は、簡単に使える便利なものになるということだろう。

便利でコストが安ければ、それは普及してきたのが歴史である。


ブロックチェーンにAI、さらに量子コンピュータと、DXのベースとなる技術はどんどん進化している。

このDX化領域と相性が良いとされる、①エンタメ、②金融、③医療の3分野は、大きく変化しそうだ。


インタートレードは②が主軸であるが、当然ながら技術応用を考えると、①③あたりも面白いところであると思うし、ニーズがマッチするなら、金融にこだわらずDXの本質に従った事業を展開することも良いと思う。

実際に、①については近年のインタートレードで対応してきたが、③についても類似技術と考えるのであれば良さそうだ。


なお、この場合の類似技術というのは、上記でいうブロックチェーンを超えたものであり、「次世代暗号分散技術」になる。

実際に、ブロックチェーンでは、チェーンが切れないからデータ削除が難しかったり、ブロックサイズが小さくて業務ストレージにあわなかったり、そもそも公開鍵がベースにあるなら、量子コンピュータの暗号解析でデータ流出になったりする問題がある。

それらを解決するのが、次世代暗号分散技術としているのだが、簡単にいうと、暗号分散技術をより実用化したもの(高額ではなく、普通の価格で扱えるもの)である。


こういうところを理解できているかどうかで、今後のDXの関わりは変わると思うし、その技術を使った金融事業でも優劣がはっきりするというものだろう。