本日も引き続きコモデティ話(後半)です。

昨日は、CO2対応コストが色々と物価に影響してきている内容でした。

CO2やエネルギー系を考えるとき、実は金融概念と異なる部分も色々とあります。
多分、理解できている日本人は少ないように思います。

本日は、昨日とは異なる観点の話です。

ウクライナ/ロシア問題の裏にある「社会主義と資本主義」を考えてみます。
この問題は実は短期的なものではないのですが、溜まっていた不満エネルギーが爆発した突発要因みたいな感じで今回は表面化しています。

ロシアの価値観により、色々とロシア内の資本主義企業などは理不尽なことをされてきたと理解しています。
資本主義は分かりやすく説明すると中央銀行が主体となる概念で、紙幣と貨幣は同じように見えて違うということを前提とした「信用力」の話が根底にあると同時に、資本が絶対的な力になります。

何を言いたいのかというと、信用できるから資本主義の中で認められるということで、信用が無いとなると排除する概念だと理解しています。

ロシアに対する資本主義側の不満(資源権利に関したものなど特に)が蓄積していて、それがウクライナ要因に混ざってスイフト制裁(の正当性説明)になったように思うわけです。
あまりにも短期に対応しましたし。

結果的に、最近の商品市場の急騰は、この制裁によるところが大きいように思います。
ここ数日のニッケル価格の急騰などみても、過去にない動きでしょう。

つまり、ロシアのデフォルトが現実的であるというような動きですし、その切っ掛けはSWIFT制裁のように思います。
これは、裏をかえせば、社会主義に対する資本主義の対立にも見えてしまうわけです。

多分ですが、ロシア(もしくは社会主義)と資本主義(NATO?)との「長期的」な冷戦に入りそうです。

バフェット氏が資源系への投資追加を開始したのも、この問題が長期化することを予測しているように思います。

すでにロシアは資本主義ネットのSWIFTを使えない想定もしていたと予測します。
それゆえ、ゴールドやパラジウムなど貴金属のストックを活用することや、エネルギー系の優位性を確立しようとしているわけです。
チェルノブイリ原発への送電停止報道を含め原発エネルギーへのリスクを煽ることも戦略なのだと理解します。

これは、通貨によるデフォルトと引き換え、資源価値による優位性を打ち出す戦略であり、資本主義側も結果的に資源大国ロシアを無視できない冷戦ということだと認識します。
これが新しい国際関係における清算方法になりそうですから、今後は金融に対して商品の概念を大きく理解しなければいけなくなると考えます。

また、上記により、短期的ですが資本主義側も大きなダメージを受けます。

リスクの増大とその連鎖です。
私は、このような突発的リスクは、本来想定範囲を超えたときに発生するもので、ガンマリスクの究極の形だと考えます。

ガンマリスクは、初動に対して想定範囲を超えると、負け側(通常はほどんど勝ちですけど)のデリバティブポジションが解消行動を起こすわけです。
そのポジション解消がパニック的に、さらに相場を悪い方向に動かすわけです。

非常に大きな材料がでても、想定される時と想定されていない時では動きが大きく違うわけです。

そして、想定していない状況がでてくると、その結果として想定していない別のものが動き始めます。
負の連鎖の一つですが、担保として差し入れているものなどの強制解消(対抗要件、強制執行、任意処分などに該当)が発生してきます。
基本的に、利益が出ているものが担保に設定されている場合(担保率が良いため)が多く、この強制解消により本来の価値(実力)とは関係なく現金化のために処分されるわけです。

この対象は、リーマンショックの時はゴールドでしたが、今回はCO2排出権です。
CO2排出権だけ商品市場の中で急落で、これを予測できたヒトは少ないでしょう。

ただ、こういうのは市場が落ち着いてくると本来の実力を取り戻すわけですが、当面の緊急時であるので、その対応が優先されるということでしょう。
日本でも東北震災の時の原子力発電事故により(CO2を出す)火力発電に主軸が変わったわけですが、それにより京都議定書(CO2排出権)内容が例外的に停止状態になった事と似ているように思いました。

とりあえず、新しい商品分野へのアプローチをDX的に整備していくこと、ここは重要であると認識しています。

次の話題は、岸田総理は日本がデジタル資本主義に舵取りを変更したわけですが、実は上記にも関係していて、なぜ問題が多いのかを考えてみたいと思います。