コア処理のシステムを自社が扱うことに大きな意味があり、この手の業務の実用化というのは、テスト環境だけでしっかり形にできるものではない。
実際に運用して修正・チューニングしていくステージも存在している。
外資金融のフロント業務では普通に行っていることであるが、本番環境でテストするという話ではないので誤解しないでほしい。
本番のデータをとって、解析して、実態にそった環境をつくって、事業に近いところで開発するということである
金融とシステムが融合するというのは、ヒトが現場で業務を覚えるのと同じで、システムが現場で業務に対応していくのと同じことを意味している。
完全なヒトの代替、機械化というのは、そういうことを行って実現するわけである。
すでに、システムを売って収益化することにこだわりを持つ時代ではないし、それだけで会社を維持できるほど甘い時代ではない。
企業たるもの、生き残り事業を継続していくことに意味がある。
それを素直に行っているだけである。
今回の金融システムは、収益モデルのシステム化でもある。
機械が勝手に稼ぐというのは、どういうことなのかである。
収益ロジックをシステム対応して自動化することは難易度が非常に高い。
金融機関も、この超低金利下において何を収益源とするのだろうか。
証券をみても、取引などの手数料だけで結果的に投資家には利益が殆ど残らないサービスが投資家から支持されると思えない。
顧客が認めるもの・求めるものを現在の金融サービスの環境で提供するには、高額なヒトのコストを削減し、より低価格で安定したシステムで代替するのが一つの方法である。
どんな時も無停止で働き続け、災害になっても業務が動いている、世界のどこでも使える、それが最近の性能である。
便利で安心、それを機械で実現していく・・・。
ヒトの否定と言われそうだが、機械の役割とか期待というのは、そういうものである。
こういうのは、誰かが実現していくものなのだろうと思う。
世の中に存在しない新しいもの・・・。
顧客はファーストユーザという立場を嫌うし、事業のシード期というのはリスクしかないから敬遠される。
リターンなどそんなものは初期に存在しないから、もう夢とか希望とか、そういう精神論的なものを信じていたくしかない。
だから新しい概念のサービスをシステム化していくには、そのシステムをつくって自らサービスを提供していくしかない。
自らが主体となって証明するしかない。