だが、リーマンショックを境に世界を見てみると、通貨に変わる優れた通貨特性のものが挑戦レベルであるが出てきていることも事実である。
特にこの数年の変化は大きいと思う。
「キャッシュレス」と便利そうな言葉になっているが、実態とか目指しているものはもっと深いものがある。
キャッシュレスの意味を紙幣や硬貨をデジタル化する事だと思っているヒトは、残念だけど頭が固いと思う。
キャッシュレスは、西本は大歓迎である。
ただ、現状の日本ではまだまだ現金のほうが使い勝手が良いのは事実だ。
これが利便性という価値観である。
ただ、その利便性での優位は現実の世界の話であり、インターネットの世界ではそろそろ動きが出てくると見ている。
キャッシュレスの本当の意味でのサービス拡大は2020年位から始まると見ている。
資産を守ること、その一番の目的はどのような時(極論はパニックが発生時)であっても生活が維持できるための環境(権利)をつくることである。
そして、それを実現するサービスが「キャッシュレス」である。
実際に通産省もキャッシュレスの説明において現金を無くす事だと言ってない。
「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」と定義している。
そして、それには多種多様な方法があると説明している。
キャッシュレスを実現する多種多様性がリスクの分散になる。
それが簡単に普通のヒト達が使える時代になるということだ。
具体的には何をするのだろうか。
ライフサイクルの中で一番重要で絶対的価値の根底にあるのが、本来は自給自足の確立なのだが、残念なことに日本の自給率は圧倒的に低いし、自給自足を現実的に実行するのも難しい。
ただ、この部分に関しては日本に関しては輸入ものに頼らなくても何とかなると、多くのヒトが思っているはずだ。
それは、「水」に恵まれているからだ。
本気を出せば、数か月で植物工場程度の施設はいくらでも作ってしまうだろう。
問題は産業エネルギーの確保のほうだ。
実際に極端なリスクとは予測できないものばかりだから、事前対処の方法など考えているほうが無駄だというのもわかる。
悪いことが予測できた時点でそれはリスクではないので、やはり未知のリスクに備えるというのは難題である。
そうなると、何を備えるのだ?
最近は偶然かもしれないが、生活面で致命的となる最悪の事は発生していない。
だからといって、この先何が起こっても世界は対処できるだろうという考えはおかしい。
少なくとも¥資産という一つのものに集中するのは良くなくて、海外のように分散するのが賢明に思える。
少しでも資産の一部を¥以外のものに分散していく概念を持つべきである。
金融の歴史は海外のほうが圧倒的に長いわけであり、その欠点(金融リスク)の対策もそれなりに良くできている。
そしてすでに金融は国際化していて、日本金融もその影響を強く受けている。
日本はまだ分散投資の実績では海外の基準に比べると非常に弱いわけだが、それには理由がある。
そもそも金利の低い日本での投資であるわけで、金利が高いというのが投資の基本になるわけだ。
海外投資を分散投資として見ているわけではなく、金利が欲しいための投資だったと思う。
都合の良いことに、日本は輸出大国であり貿易黒字が大きかった。
それを海外に投資(結果的に¥安誘導)することで、為替のバランスを輸出有利にしていたこともある。
だから、それらは正しかったことは事実である。
今の日本の金融は世界の影響をダイレクトに受けていることを考えると、金利より資産の管理を考えるべきである。
ただ、現状でその資産分散を効率的に行えるだけの優れた環境が存在していないことも事実である。
資産分散を本格的に行うと、何故かヘッジになりヘッジコストが出てきてしまう、そういうサービスしか基本的に無かったからだ。
先にも説明したとおり、現状では分散投資、もしくはヘッジ類を行う行動自体が、資産を減少させることになるからだ。
資産を減少させない環境が近い将来に整備されるなら、そこから真剣に考えてほしい。