性能差による優位性を理解いただくこと・・・。

そういう部分が顧客へのアピールなのだと思うが、ここの説明が難しい。

自分のデザインやセンスといった価値観を他人が理解できるかというと、そんなに簡単ではないからだ。

就職活動などで、テスト(能力)だけで採用されることはほとんどないのと同じで、見えない優位性(究極的には個性、性質的なもの)は言葉でしか説明できないし、それが最後の判断材料になる。

そして、この優位性たるもの、これは時代と共に変化していくから、なおさら厄介だ。

西本は社会人になって、証券会社に入社してから5年は大型コンピュータ(ホストコンピュータと言ってた)の技術担当をしていた。

大型コンピュータというと、ほとんどは勘定系の概念と思われるが、当時は勘定系の他に情報系というのがあった。

今ではほとんど聞かなくなったのだが、チャートなどの投資に関するサービス全般を請け負っていた。

丁度、ITバブル(IT革命が正しいか?)というのが欧米で立ち上がってきた時代になる。

当然、今までにない新しい概念のものをテストするようになる。

UNIX系。

開発言語は「C」だったから、大型コンピュータの制御方式と全く違ったものと言っても過言ではなかった。

一番の魅力はコストダウンだったが、それ以外にも色々と優位性があった。

ダウンサイジングという言葉が流行った時期でもあった。

ネットワークや、データ管理など、色々と新しい概念を見た。

ただ、当時はそれを簡単に理解できる人がいなかったので、予算は相変わらず大型コンピュータメインで取られる始末だった。