実はフロントシステムにおいて、機能面は実装レベルで大きな差は無くなってきているように思う。

顧客の要求するRFPにメーカーは対処しているから、当然、同じようになってしまう。

同じようになれば、その差がわかりにくくなり、顧客も選択に悩む要因になる。

そうなると、差別化は性能か。

一応、性能要件というのが出るが、西本のいう性能はRFPだけのものではない。

RFPを満たせば、勝てるシステムかといえば、そういうものでもないからだ。

この性能、実は一番わかりにくい部分になる。

仮導入が簡単にできないのが、フロントシステムなので、とりあえず「お試し」というのが難しい。

値段とか、機能差を机上確認する・・、これらは数値や言葉、見た目や操作性なので理解しやすい。

性能というのは、単純にトランザクションの処理能力とか、そんなものだけで済まない部分がある。

設計のコンセプトというか、デザインセンスみたいなものまで含んで考えないと性能ではないし、そこが重要になる。

数年先まで見て、それが耐えうるベースをもっているのか、修正の容易性はどうなのか、そういう部分まで見なければいけない。

「性能」とは、認められる「能力」だけでなく、「性質」というデザイン的なものまでを含むからだ。

しかし、そういう目に見えない概念を、第三者はきちんと理解し、正当に評価することが簡単にはできないと思う。