歩き出した先祖 | INTERTRADE Cross Talk(インタートレード クロストーク)

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このブログは健康を愛する方に向け、これまでにない視点で健康について語っていきたいと思います。
健康テーマを生命誕生の海からの贈り物七つと我々哺乳類が進化してきた山からの贈り物を関連させ、分かりやすく皆様にお届けしたいと思います。

日本の男性の平均寿命は約80歳。

この80年の中で、自分たちが認識できる世代数はほとんどの人は5世代だと思われる。
自分を中心におじいちゃん・おばあちゃん、両親、子供、孫の5世代である。
以前に比べ平均寿命は延びているが、晩婚化も進んでいるため、大概の人は幼い頃のおじいちゃん・おばあちゃんの記憶があり、年老いた時には孫の顔を見ることは自然だろう。

この世代の中心というか世代交代の期間(例えば子供を持てる中心期間)を20年とすると、産業革命があった250年~200年前はせいぜい12~10世代前。
農耕改革があった1万年前は500世代前。
ホモ・サピエンスが誕生したとされる20万年前は1万世代前となり、さらに二足歩行を獲得した祖先は30万世代前ということになる。

ヒトの先祖が二足歩行になった理由は諸説あるようだが、チンパンジーは犬や馬と違い、前傾姿勢で長い手を地面につきながら移動するナックル歩行とよばれる独特な歩き方をする。
そして必要があれば、手を伸ばし果実などを採取する。
木の上でこの行為を行った場合、立ち上がるイメージはないが、地上で木の実や果実を採取する行為をした場合、起立の状態になる。
これが繰り返されるうち立つという能力を獲得したのではと考えられる。
また、当時の気候は寒冷化が進んでいたため、森林はサバンナ化していき、食べるための移動範囲が大きく広がったため、移動のためのエネルギー消費量が少ない二足歩行を選択する種が現れたのか、と。

いずれにせよ、ヒトの先祖は歩き出した。

長い世代を亘って進化してきた人類と比べ、直近数世代における社会の進化は目覚ましく、いろんなモノが簡単に手に入るようになりました。
例えば砂糖。農耕がはじまった1万年前には甘いものを手に入れるのはほぼ不可能だったと思われる。唯一手に入れられたのは蜂蜜ぐらいだっただろう。
たった100年前でも糖は貴重なものだった。
現代では農作機械を使い、サトウキビやテンサイなどを大量に栽培し世の中には甘いものが溢れている。
最近では逆に糖分控えめ商品が出る始末だ。

日本の肥満率は世界平均を下回っているが、WHOの発表だと約30年で肥満は倍増し、発展途上国で急速に広がっており多くの問題を抱えている。
産業の発展により脂肪や糖分が豊富な食べ物は手っ取り早く手に入れることができる。
一方、これらの食品に栄養素が不足している。
そして運動不足。これも社会の発展が大きな影響を与えている。

自然環境の影響から進化した先祖、そして社会環境の影響を受けている現代人。これからもホモ・サピエンスの進化は続くのか?


つづく。