短編小説「悪夢」 | 一斗のブログ

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2011年6月15日に小説を出版しました。
出版をするにあたっての様々なエピソードや心の葛藤、病気の事等書きました。今はショートショート(超短編小説)やエッセイ等を載せています。宜しくお願いします。

ある日、僕は夢を見た。

今まで生きてきた人生の中で最悪の夢だ。その日以来、毎日のように同じ夢に

うなされる。


その夢は同じ夢とはいっても、いつも場所だけは微妙に異なっている。

微妙と表現したのは、おおよそ同じ場所だがそれが歩道橋だったりジュエリーショップの

前だったりファミレスだったりするのだが、決まって僕の通っている大学の文系側の校舎周辺

に限られているということだ。

しかし、そんな細かいことは所詮夢の中なのだからたいした問題じゃない。

この夢の中で重要なのは、もう一人僕の彼女がいるということだ。

夢の中の彼女は最近では、僕の前では見せたことのない蔓延の笑みを浮かべている。

ありえない。

そんなこと、あるわけがない。

僕は自分で自分に必死に言い聞かせるし、何度も目をこすって見直すが

そこに存在してるのは、間違いなく僕の彼女だ。

僕は理学系なので、めったに文系の校舎のほうに足を運ぶことはない。

三年も付き合っていれば、そんな僕の習慣を彼女は良く理解している。

彼女と会うときはいつも僕の都合のいい場所に呼び出している。

生来の我が儘な性格に加え、三年間も付き合っているという安心感が僕を傲慢に

させていたようだ。

そんな彼女に対する傲慢な僕の態度が、昼も夜も

僕にこんな夢を見させているのだろう。

けして醒めることのない最悪の夢を。




ー書き終えてみて思ったのは、けっこう考えた割には短かっ!てことでした笑
 よろしければご意見、感想等コメントお願いいたしますー


一斗




 





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