久しぶりに、奥野正雄選手のブログ
を覗いてみました。
奥野選手は、一昨年の8月、全日本ロードレースの菅生ラウンドでST600のレース中に事故に遭遇し、意識が戻らないまま、1ヶ月後に亡くなりました。
病院からの状況を、正雄さんのお兄さんがブログで知らせてくれていましたが、亡くなった後で、正雄さんの名前を冠したレースチームを作る計画が持ち上がり、実現に向けて動いていました。
この計画は、お兄さんが『きっと正雄が生きていたら、将来は監督をやりたかったのではないか』というふうに思ったことから始まったもの。とはいっても、お兄さんはレースと関わるのははじめて。いろいろと大変な苦労や葛藤があったみたいです。
しばらく覗いていなかったのですが、あれからどうなったんだろうと思い、奥野選手のブログを見てみました。
結果からいえば、チームの参戦はやめてしまっていました。
スポンサーも集まり、今年出場するレースも決まり、ライダーも決まり。
でも、お兄さんは、それが本当に正雄さんのためにしていることなのかという疑問が大きくなっていったみたいで。
『正雄のためでなく、ただの自己満足になってしまっているのでは・・・』
そういう気持ちのままチームを立ち上げるのはレースをしている人達に対して失礼だという結論に至ったみたいで。
チームを作ることを中断した(諦めた、とはあえて書きません)代わりに、お兄さんは2輪レースを広く知ってもらうためのサイトを製作することにしたそうです。お兄さんはそういう技術をもっている人みたいで、2輪レースの選手名鑑みたいなものを作りたいのだそうです。
2輪レースを広めること。きっとそれは正雄さんの望んだことでもあるし、正雄さんを応援していたファンの方も含め、皆さんの望んでいること。自己満足ではなく、広く知ってもらうために2輪レース界に貢献がしたい。
そうういう思いからの決断だったそうです。
ブログのコメント欄には、その決断を賞賛するコメントもたくさんある反面、非難するコメントもたくさんありました。
僕はお兄さんの決断は正しいと感じています。
正雄さんの名前を冠したチームを作れば、確かに今のレース界で正雄さんの名前を忘れることはないでしょう。
でも、それでは『今』という枠の中で終わってしまう。
ただ名前を残すためにするのではなく、正雄さんのしてきたこの世界を広く知ってもらうこと。2輪レースがもっともっと盛り上がっていってくれること。
それが、正雄さんが生きていた、なによりの証になるんだと思います。
ただ欲をいえば、そこまで決まっていたレースチームをすべて白紙に戻すということはしないで、正雄さんとかかわりのあった第三者の方への運営譲渡という形をとってほしかったかな、という思いはありますね。
スポンサーさんは、正雄さんの思いのためにお金を出すことを決めたわけで、お兄さんがやるからという理由でお金を出したわけではないと思うんです。チームといっても、すべてを行うチームではなく、お金を出資して既属するチームとのジョイントという形をとっていたんだと思うし、正雄さんの思いを汲む誰かがチーム運営を引き継いでくれたらよかったんじゃないでしょうか。そういう声がなかったのであれば残念だし、お兄さんが断ってしまっていたのなら、それは間違いだと思うし。
名前を残したいと思うのは身内だけではなかったろうし、むしろそういうことは、ファンが自発的にすることが大切だと思うから。
でも、お兄さんの決断は、そんなことよりももっともっと大切なことなんだと思います。
やっぱり、僕も2輪レース界がもっともっと盛り上がってくれれば嬉しい。
2輪だけじゃなく、日本のモータースポーツ界がもっともっと盛り上がってくれれば嬉しい。
そのために、僕もこんなつたない文章ではありますが、このブログを更新し続けてています。