スーパー耐久を好んで見に来るモータースポーツファンというのは、おそらく、真の車好きなのではないだろうか。
なぜかといえば、基本的にS耐の車は「市販車 + α」の性能だからなのだ。
GTのような、『見た目市販車、中身別物』のレースカーではなく、市販車の性能を生かして、サーキット用に多少の改造が許されるのがS耐のマシン。レースカーというよりは市販車のスペシャルバージョンといったほうがいいのかもしれない。
だから、S耐にGTのようなプレミアを感じる人は少ないだろう。
しかし、純粋な車好きは逆にそれが身近に感じられて、GTよりもハマることができるレースだと思う。
そう、S耐というレースは、マニアックなレースなのではないだろうか。
出場する選手も、そのほとんどはアマチュアレーサーである。車好き、レース好きなアマチュアが、比較的気軽に参加する事ができる。
もちろん、レースであるから誰でも上を目指しているのは違いないのだが、そんな中にも『エンジョイ精神』が入り混じっているような気がする。
比較的大きな大会のわりに、GTのような糸を張るようなギスギス感を感じないのはそのためだろう。
そういう意でも、やっぱりS耐はマニアックなレースなのだ。
車好きが、純粋にレースをして、見て、感じて楽しむことができるレース。
サポートレースも含めて、S耐のイベントというのはそういうものなのではないだろうか。
そういうアマチュア精神に、いい意味でも悪い意味でも反しているのがST1と呼ばれる、 S耐の最上位クラスだと思う。
それは、レース用の車が走っているということから感じることだ。
もっとも、レース用の車といっても、レース車として販売されている車を使っているということであり、独自に開発をしたりしているわけではないのだが。
レース用の車が走っていることで、レースとしてのプレミア性は高められることができる。これが最大のメリットだと思う。
ただ、それが勝利至上主義を生むことも間違いない。
アマチュア精神を持つS耐に、それは似合わないような気もするのだ。
こうしたレース専用車は特認として参加が認められているわけだが、特認を大幅に認めることで費用の高騰にも繋がってくるのではないか。
特定の参加者しか勝負権がないようでは駄目だと思う。
これはGTにも言えることだが、スポーツである以上、レギュレーションは厳守させなければいけないものだと思うのだ。
それでなければスポーツの意味はなくなってしまうのではないだろうか。
ちなみに、いまST1で走っているすべての車が特認車両である。レース専用車だからこそ、技術の差が開いていく時間も早い。
BMW Z4とポルシェの差は、そういうことなのだ。




