鈴鹿最果ての地、スプーンカーブ。
まさに鈴鹿の孤島である。
とりあえず施設が一通りあるヘアピンより歩くこと、約10分。
そこには売店も自販機も、そして、トイレすらない。
客席も、改修に縁がなかったのか、ほとんどの場所に草が覆い茂り、なんとも淋しい感じである。
だが、しかし。
見晴らしはとても良いのである。
そう、あの素晴らしさは、メインゲートより延々と歩いた者だけにしかわからないのだ。
もし、これからの耐久レースシーズンに鈴鹿へ観戦に行かれる方には、スプーンカーブへ行ってもらいたい。
確かに遠い。そして不便だ。
しかし、そこに辿りつけば、その素晴らしさはわかってもらえるはずだ。それは保障する。
できれば、レースが行われている最中に移動してもらいたい。スプリントレースならともかく、耐久レースでは一箇所に留まることはあまりよろしくないと思う。ぜひともいろいろと歩いて、今まで見たことのないコーナーへ行ってもらいたい。
レース中の移動を薦めるのには理由がある。
ヘアピンからスプーンまでの周回路、特に2輪シケインのあるあたりからスプーンカーブの間はコースのすぐ脇に周回路がある。
おそらく、鈴鹿の中でいちばんコースに近い場所なのだ。
残念ながら、当然フェンスが設置されているし、そのほとんどには黒い幕が掛かっていて走行を見ることができない。通路が狭いために、そこで観戦させないようにするためなのだろうが、ちょっとそれは惜しいところである。
しかし、ところどころで幕が切れている場所もある。
そこから見える光景というのは、岡山のダブルヘアピンあたりと遜色ない。まるで自分の方向にマシンが迫ってくる感じなのだ。ヘアピンからの加速でスピードも乗っているから、岡山で見るよりも迫力は感じられるのではないだろうか。
幕がかかっている部分では走行は見れないが、全開で走り抜けるエギゾーストを、コースの真横で聞くことはできる。僕としては、ぜひともこの音を歩きながら体感していただきたい。
この部分、ランオフエリアも周回路側にはほとんどないから、フェンスを隔てた自分の真横をマシンが通過する形になるわけだ。
その迫力を一度経験していただきたいものである。

