ちょっと医学的な話と教育についての真面目な(というか専門家の視線からの)話題。
タイトルの通り、「ウチの子ADHDっぽい!ASDっぽい!」という時に親としてどのように考えて戦略を取るか?という問題についての私見。
今は発達障害がすごく増えている!というのがニュースになっており、確かに児童精神科の専門のところは予約が数ヶ月待ちとかがザラになっています。そして、連れてくる親の捉え方も本当に千差万別で、「これは一応傾向はあるけど、問題はそこじゃないんじゃない?」って言う人から、「『ウチの子は発達障害とかじゃない!』って認めなくない気持ちも分かりますがどう見ても、、、。」という人までおられます。
まず、何のために受診するか?
もちろん本人(もしくは家族)が困っていてそれを何らかの方法で改善できるのか?というところが一番の受診動機でしょう。(学校の先生から言われて仕方なく、、という例もいると思いますが)その上で数ヶ月も待ってかなりの手間と子供への負担もかけて受診するのですが、この発達障害について医療ができる事、出来ない事があります。なので、今より改善して欲しい、という思いは当たり前ですが、親としてもある程度まで目的を明確化しておいた方が良いと思います。
まず、ASDもADHDも中核症状を薬物療法で治癒する、といった疾患ではありません。
ADHDについて:注意欠陥や多動、衝動性について使える薬(一応中核症状の治療という事になります)がありますが、治癒というよりはある程度生活しやすくする、といった効果です。そして副作用もなくはないです。実際に使用してみて字が綺麗になって授業が受けやすくなった!という改善は見られますが、この教育ブログのボリュームゾーンの英進館生で成績が上がる!という効果はあまり期待できないと思います。
ちなみにADHDは子供→大人になる過程で一定の割合で消失もしくは改善します。なのでADHD傾向がある我が家のジェロニモ君も大人になったら落ち着いてくれるかもしれません。そして、ジェロニモ君の場合は別に学校の授業を抜け出したり、交通事故や怪我が異常に多い、というレベルのADHDでもありません。なので、テストのミス気をつけろよ〜といった位での様子見です。このテストのミスについても「どうして出来ないの!!」と怒っても仕方ないですからね。あくまで「気をつけろよ〜」位で。
次にASDについて:こちらは現時点で中核症状(メインの症状)を対象とした薬物療法はありません。オキシトシン製剤の治験がありましたが上手くはいっていない様です。基本的には対人コミュニケーションなどについての訓練などになります。ちなみに、こちらはウチの次女さん、一度中学校入学前に診断してもらいに行っています。この事について次の項目で。
合理的配慮、環境調整について+二次障害の話:どちらも治るものではないので、環境調整というものが大事になってきます。家庭や学校、社会などで上手く適応できず、その結果として抑うつ状態などに陥る事を二次障害といいます。これを起こさない。ある程度自分の特性が分かりながら、自己肯定感を持って、かつ社会と折り合いながら生活していける、というのが目標だと私は思っています。
そこについて、ここ数年は「合理的配慮」というものが普及しています。ADHD,ASDに合併しやすい所で、読字障害があったり、そういうハンディキャップに対しても学校やさらには共通テストなどでも医師の診断書があれば配慮される、というものです。
上の次女さんが中学校受験前に一度診断だけ受けたのは、もし公立中学でヤバイタイプの国語や英語の先生とかに当たって「何でこのテストが出来ないんだ!」ってなって学校自体が楽しくない、などの問題が起こった際にこの合理的配慮を使おうと考えていたからです。結果としては必要なかったわけですが。
この合理的配慮ですが「大学などの入学試験でも疾患傾向での不利が無くなるなら!」と積極的に求めてこられる親御さんもおられます。殆どの場合である程度要求に沿う形で記載する事が多いのですが、個人の感想としてはどうなのか、、と思う事も多いです。
合理的配慮を使って、ある程度の高校や大学になんとか進学→今後も場合によってはA型作業所とか、障害者枠などでの就労を目指す。というレベルなら本人も楽になるし大賛成です。ただ、合理的配慮があればもっと良い大学に合格できるんでは!というパターンだとちょっと危機感を抱かざるを得ません。というのも、大学の授業レベル、大学での交友関係、就職活動、全てに合理的配慮をしてもらえる訳でもなく、その何処かで挫折する、二次障害としての不適応からの抑うつなどが起こる、というパターンもあり、そういった場合の合理的配慮について中でも親が主導で進めていくケースは私はどうなのかなぁ、、。というスタンスです。
かなり長文でツラツラと書きましたが、「えー!ウチの子それっぽいんだけど」と思われる方もおられるかもしれません。ただ、ざっくり言ってしまうと学校から何度も連絡が来る、やんわりと受診を勧められる、というレベルでなかったらそこまで受診の必要はないかも知れず、また受診したからと言って何かが魔法の様に変わる訳でも無いと思いますので、その傾向を受け入れながら楽しく暮らしていく方が良いのでは無いかとは思っています。
最後に一応真面目な内容なので免責的な事で言うと、一応精神科のスタンダードから逸脱していない事を書いているかと思いますが、基本的に私見(特に合理的配慮の範囲の部分など)になる事をご理解下さい。