大須の老舗中古パソコンショップで購入、今回のプレイヤーは写真下段
周囲がパソコンやタブレット、スマホといったデジタルガジェットの争奪戦を繰り広げていたころ、ひっそりと競うことなく購入。
わざわざ買うまでもないと思ったが、こういったおもちゃを無性にいじりたくなってしまうことがある。
MP3データの再生時にとある機能が使えるため、試してみたかったのが主な目的。
ジャンク品セールにつき1台100円、純正リモコンのほうが数倍高かった
松竹梅、と商品ごとにランクと価格付けがされており今回のDVDプレイヤーはどちらも真ん中。
本体のみでは使い物にならないので、純正リモコンを探したら同じ店内で発見したものの、電池室の蓋がないにもかかわらず強気の値段。
かといってわざわざ他の店で探すのも億劫だったため購入した。
写真上段はすでに記事になったパナソニックのDVDプレイヤー
現行機種にしてローコストの塊のような、パナソニックのDVDプレイヤーに対してパイオニアは、本体に液晶画面がついているし操作ボタンも残してあるためデザイン的にも豪華に見える。
また本体サイズも奥行きはほぼ同じだが、若干パイオニアのほうが横に長い。
分解したところ、某企業向けの研修DVDソフトが入っていた(廃棄済)
天板を開けてみるとタバコ・酒類の販売に関する研修ソフトが入っていたので、当方で廃棄した。
トレイの開閉はスムーズで、DVDや音楽CDの読み込みに問題なさそうだったので一安心。
ただしディスクの回転音が大きいので原因を探ることにした。
DVDドライブメカの歪みを直し、ピックアップユニットのレンズ清掃をした
どうも天板に重量がかかったのが原因で、DVDドライブメカのディスク押さえが入り込んでしまっているようだった。
手で引き起こすように歪みを直すと、それまでうるさかった回転音が静かになった。
ついでにピックアップユニットのレンズ清掃を行い、ピカピカにした。
ちなみに交換用の新品ピックアップユニットは購入できるようである。
USBメモリ内のMP3データ再生用に活用することにした
パイオニア独自技術である、サウンドレトリバーという音声補正機能の強化版「アドバンスドサウンドレトリバー(A.S.R)」が搭載されており、これがUSBメモリ内のMP3/WMA(ウィンドウズメディアオーディオ)形式の音声データ再生時に効果を発揮する。
具体的には音声の圧縮処理によって、音の抑揚が失われ厚みもなくスッカスカの骨と皮だけになってしまった音楽を、疑似的に元の状態に近づけることによって、リッチなサウンドが体感できて聴きごたえのあるものとなるのだ。
これは測定データ上では違いが出ない場合もあるようだが、聴感上では音圧が上がり高域、低域ともにハッキリ聞こえるようになる。
ドンシャリサウンドに近づくので、違和感が出る場合もあるが元の状態に比べればCDに近い印象を受ける。
こういった機能を持たせているのがパイオニアらしい、真面目さがうかがえる。
HDMI出力が可能な、ローコスト化する直前のモデル
HDMI端子付きのDVDプレイヤー(フルHD画質へのアップスケーリング機能付き)としては、ローコストかつ小型モデルにあたるが、現在のような思い切ったローコスト化が行われる前のモデルだけあって、使われている基板や部品は国産品が多い。
整然と基盤がレイアウトされている
ノイズを避けるためや配線の引き回しなども考慮された基板レイアウトである。
そのあたりは海外メーカーのDVDプレイヤーがいかに、いい加減が良くわかるだろう。
海外モデルと共通基盤のためか、空きパターンが多い(カラオケ用?)
USBメモリが装着できる前面USB端子基盤には、カラオケ対応機種と共通基盤のようで空きパターンや印字が目立つ。
まだ海外ではDVDカラオケ需要がこの当時は、あったのだろうか。
基板中央にある、台湾メディアテック社のカスタムLSIが心臓部
パイオニアが低価格ユニバーサルプレイヤー「DV-578A」を発売した際に、初めて採用されたのが台湾メディアテック社のカスタムLSIで、ワンチップながらSACD、DVDオーディオ、DVDビデオ、音楽CDなどなどあらゆるディスクメディアの処理を一手に引き受けてくれることによって、低価格かつ高機能を維持できる、デジタル技術の申し子のような部品が使われています。
おかげでミニコンポでもユニバーサルプレイヤーと同じ機能を持たせたものが発売されたり、AV業界が大きく変わるきっかけになった部品でもあります。
スイッチング電源のつくりもローコスト機ながらしっかりしているようだ
まだ安価な製品も自社内で開発・設計していた名残を感じされる、ちょっと古めのDVDプレイヤーでした。
意外な使い道に活路を見出してもらおうと思います。