2026年8月17日。
妻は朝早くに起床し、新幹線で関西の病院へ向かいました。
予定どおり病院に到着したとの連絡があり、入院手続きを済ませた後、まずは歯科口腔外科を受診したとのことでした。
診察の結果、舌先の炎症はかなりひどいものの、カビは確認されなかったそうです。
つまり、心配していた口腔カンジダではありませんでした。
ただ、一般的な口内炎とも違うようで、この時点では原因までは分からなかったとのことでした。
治験を担当する診療科の先生からは、
「おそらく治験薬の副作用でしょう。」
と言われたそうですが、まだ確定したわけではなく、耳鼻咽喉科でも診てもらうことになりました。
その間も、口の中や喉の痛みは増す一方だったようです。
食事や飲み物を満足に摂ることができず、水分補給と痛み止めのために点滴を受けたと連絡がありました。
それでも痛みが引かなかったため、オキノームという医療用麻薬が処方されたとのこと。
調べてみると、がんの痛みなどにも使われる強い痛み止めのようで、
「口の痛みに、こんなに強い薬を使って大丈夫なのかな。」
と、少し心配になったことを覚えています。
ただ、それだけ口の中や喉の痛みが強かったということでもあります。
その後は痛みが強いときにオキノームを服用していたようですが、それでも食事は難しく、夕食もほとんど食べられなかったそうです。
膵臓がんの告知からこれまで、妻が食事を摂れなかったのは、最初に急性膵炎で入院したときくらいでした。
それ以降は飲食について悩むことがほとんどなかっただけに、私はどんどん不安になり、仕事中も妻からの連絡が気になって仕方ありませんでした。
また、血液検査の結果、腎臓の数値も悪化していたとのことでした。
入院前まで服用していたロキソニンの影響ではないかという話もあったようです。
さらにCRPは11。
これまでで最も高かった値の2倍近くまで上昇しており、かなり強い炎症反応が出ているとのことでした。
ただ、これだけ炎症反応が高ければ熱も上がりそうなものですが、体温は36.6℃。
好中球数も低めだったため、
「きちんと免疫が働いているのだろうか。」
そんなことまで考えてしまい、不安になりました。
その日は移動や検査などで疲れていたようで、病院の消灯時間頃には妻からの連絡もなくなりました。
おそらく、そのまま眠ったのだと思います。
私もこれ以上できることはなく、
「明日には少しでも痛みが引いて、食事ができるようになっていますように。」
そう願いながら、その日は休むことにしました。
翌朝、2026年8月18日。
朝食の少し前にオキノームを服用したらしく、
「少しご飯を食べられた。」
とメッセージがありました。
数日の間、まともに食事が摂れていなかったので、それだけでも少し安心しました。
ただ、冷たい水はしみて飲めなかったようで、この日も水分補給と痛み止めの点滴を受けたとのことでした。
昼食はオキノームを飲まなくても、ほとんど食べられたとのこと。
「少しずつ回復しているのかな。」
そう思い、ほっとしていました。
その日の16時頃だったと思います。
妻から、耳鼻咽喉科を受診したとメッセージがありました。
喉を診てもらったところ、かなりきれいな状態だったとのこと。
当初、治験を担当する診療科では治験薬の副作用ではないかと考えていたようですが、耳鼻咽喉科での診察も踏まえ、
「ウイルス性のものではないか。」
という判断になったそうです。
そのため、この日に予定していたサイクル2の1回目の治験薬の投与はスキップとなりました。
今回が最後の入院になると思っていた妻は、かなり落ち込んでいました。
さらに、口や喉の状態が良くなるまでは入院を続けることになり、当初予定していた3泊4日ではなく、退院日は未定になったとのことでした。
私としては、症状が落ち着くまで病院で診てもらえることに安心する気持ちもありました。
ただ、妻には仕事もありますし、友人との予定もあります。
予定どおり帰れなくなったことに、納得できない気持ちもあっただろうと思います。
その日の夕食。
オキノームを服用した後だったようですが、
「ほとんど食べられた。」
と連絡がありました。
飲み物も飲めたとのことで、少しずつ回復に向かっているように見えました。
翌朝、2026年8月19日。
この日も朝食前にオキノームを服用し、少し食べることができたとのことでした。
午前中は前日と同じように、水分補給と痛み止めの点滴を受けたそうです。
そして昼食。
「完食したよ。」
というメッセージが届きました。
さらに、隣の方からいただいたシュークリームまで食べられたようで、妻からうれしそうなメッセージが届きました。
CRPも11から9まで下がっていたとのことでした。
「炎症も少しずつ落ち着いてきたのかな。」
そう思っていました。
ところが、その日の18時頃。
妻からメッセージが届きました。
「体温を測ったら39.9℃の熱があった。きつい。」
一気に不安になりました。
ウイルス性のものであれば、発熱は体が反応しているということなのかもしれない。
「体が頑張っているんだ。」
そう思う気持ちもありました。
ただ、その後、妻からの返信が途絶えました。
心配で何度もスマホを確認していると、2時間ほど経った頃。
「寝てたわ。」
と連絡がありました。
その一言を見て、ほっとしました。
続けてやり取りをする中で、解熱剤の点滴を受けたとのことだったので、その後はおそらく眠っているのだと思います。
サイクル2は、思いがけない形で治験薬の投与をスキップすることになりました。
治験が予定どおり進まなかったことへの不安はあります。
ただ、今は治験のことよりも、まず妻の体調です。
早く熱が下がって、口や喉の痛みも良くなってほしいと思います。
しばらくは、安心できない日が続きそうです。