2026年3月。

2025年9月から続けてきた一次治療、アブゲム。約6か月が経ちました。

約6か月が経ち、腫瘍マーカーは再び上昇し、画像検査では原発巣・転移巣ともに増大が確認されました。

主治医からは、

「アブゲムに耐性がつきました。」

と説明があり、一次治療は終了となりました。

アブゲムには約6か月間、妻の命をつないでもらいました。副作用も比較的少なく、仕事にも行き、友人とも会い、病気になる前と変わらない生活を送ることができました。

だからこそ、

「もう少し効いていてほしかった。」

その気持ちが強く残っています。

ただ、現実は次の治療へ進まなければなりません。

妻は隔週で治療を受けていたため、2週間後から二次治療となるオニバイドが始まることになりました。

その頃の私は、標準治療だけではなく、他の可能性についても考えていました。

一つ目に考えていたのが、肝転移に対する局所治療です。

膵臓がんステージ4は全身病とされているため、ガイドラインでは局所治療の対象ではありません。

もちろん、そのことは理解していました。

ただ、妻の肝転移は2か所だけ。いわゆるオリゴ転移の状態でした。

 

どちらも15mmに満たない大きさだったため、

「ラジオ波やマイクロ波焼灼ができないだろうか。」

そんなことばかり考えていました。

主治医にも相談しましたが、

「ガイドライン以外の治療は、この病院ではできません。」

という返答でした。

当時は正直、不満に思いました。

今にして思えば、主治医の判断は当然だったと思います。標準治療を行う病院が、ガイドライン外の治療を行えないのは当たり前です。

それでも、あの頃の私は必死でした。少しでも妻が長く生きられる可能性があるなら、何でも検討したい。その気持ちしかありませんでした。

私は局所治療の実績がある病院を全国で探し始めました。

何件も電話をかけましたが、膵臓がん肝転移に対して局所治療を行っている施設はほとんどありませんでした。その中で、東京のNTT東日本関東病院では、同様の症例に対する治療実績があることを電話で確認できました。

ただ、この時点では、妻は増悪判定でした。

希望する局所治療は侵襲が少ないとはいえ、合併症のリスクもあります。

まずはオニバイドが効くかどうか。もし腫瘍マーカーが下がれば、そのタイミングで受診した方が良いのではないか。

そういう結論になり、この案はいったん保留となりました。

そして、その頃もう一つ、本格的に考え始めていたことがありました。

それが、治験という選択肢でした。