2025年7月上旬のことでした。
友人と私たち夫婦で楽しく飲んだ翌日。
二日酔い気味だった妻は、お昼頃に起きてきて少し食事をしたあと、トイレへ向かいました。すると突然、中から大きな叫び声が聞こえました。何事かと思いドアを開けると、トイレの中で身体を丸める形で床に倒れていました。
腹部に耐えられないほどの痛みがあるようで、
「救急車を呼んで」
と必死に訴えてきました。
妻の顔を見ると、一目でわかるほど黄疸が出ていました。ただ事ではないと感じ、すぐに救急車を呼びました。
そのまま地元の病院へ搬送され、緊急入院となりました。病院では血液検査、エコー、CTなどの検査が行われ、搬送された翌日だったと思いますが、「急性膵炎」と診断されました。
そのときの私は、
「急性膵炎か」
と安堵したことを覚えています。
急性膵炎は治る病気だと思っていたので、
「しばらく入院すれば良くなるだろう」
「妻はお酒を飲み過ぎることもあったし、これをきっかけに少しはお酒との付き合い方を見直してくれたらいいな」
くらいに考えていました。
それからしばらくの間、私は家と病院を往復する日々を送りました。
5日ほど絶食が続きましたが、妻の症状は徐々に改善していきました。
入院期間は2週間ほどだったと思います。
体調も回復し、退院が近づいてきた頃、医師から「ご夫婦にお話ししたいことがあります」と面談を申し込まれました。
面談当日。
これまでの治療経過の説明を受けたあと、医師は印刷されたCT画像を見せながら、こう告げました。
「膵臓と肝臓に、できもののような影があります。すぐに大きな病院で詳しい検査を受けたほうがいいでしょう。」
その場で医師は大学病院へ電話をかけ、最短の日程で診察の予約を取ってくれました。
数日後。
紹介された大学病院を受診し、入院して詳しい検査を受けました。
そして、これから長くお世話になる主治医から、膵臓がん(多発肝転移・ステージ4)であることを告げられました。