春が一歩近づいた猿払でしたが…
今日は低気圧の影響で強風と雨そして雨から雪に…
明日は低気温で終始しそうで、春は足踏みです

以前からご紹介している、林道に設置された暗渠(カルバート)の問題個所、
近年継続してそれらの改善作業を実施しています、
今年も、遡上時期を前に点検を兼ねてモニタリング作業実施しました

以後事前事後の写真を交えて解説します

この個所は昨年春、カルバートに流木がつまり遡上が出来なかった個所、産卵床調査ではこの上流で産卵床は0個…
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いままでこの様な事が無かったことから、モニタリングはしていなかったのですが、この場所の上流にあるカルバートが遡上不可能だったことから、地権者に説明しカルバートを撤去して頂いたのですが…遡上障害のカルバートは流木の流下も妨げていて、それを撤去したことから下流のこのカルバートに流下物の堆積が集中したようです…(流下物堆積の解決策も講じています)
昨年夏に改善作業・撤去作業を施しました
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カルバートの閉塞も無く、カルバート下流の水制工により水位のかさ上げ効果も働き、カルバートの落差も解消されています、ひとまず安心



林道に大小二つのカルバートが並んで設置された個所、水量の多いこの小さなカルバートを遡上しようとしますが、落差、流速、傾斜等々に理由で遡上が困難でした
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林道の上流で二つの流れに分かれてそれぞれカルバートで分配されていた遡上経路を、大きなカルバートへ流れを纏める作業を実施、2年ほど経過し、澪筋が大きなカルバートへの流路へ定着し始めました
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こちらの大きな二つ目のカルバートは傾斜・落差共に問題は少なく、上流の流路を改良した事により遡上・降下がよりスムーズになる事が期待できそうです

小さなカルバートは殆ど通水していません、これでイトウも大きなカルバートを選び以前よりスムーズに遡上が可能になると思われます 
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このカルバートは20年ほど前に遡上の障害が発覚し研究者等の指摘を受け改良された個所だったのですが
経年でそれらの施工の機能は低下し、再び遡上が困難になってしまいました…
かなり渇水した状態の写真なのですが、カルバート直下の落差は30cmほどしかありませんが…
遡上時に泳ぎ上がる助走や水深がないと大型魚のイトウはこの程度の落差でも遡上が困難になります
またカルバート下流の流路も以前は土嚢が設置され水深のある斜路だったのですが…経年で土嚢は流され、浅く広い流路へと変貌…浅く速い流れもイトウにとっては泳ぎ上がりにくい構造です
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改良作業は昨年秋に実施、カルバート直下に大きな水深のあるプールが形成されるように石組みを設置、
また、斜路の水深を保つための工夫もしました、
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増水しすぎて分かりづらいですね(笑 石組みにより階段状の流路、カルバート直下に助走・水深を確保するプールが形成されました、
(産卵期はこれよりやや水深が下がりますので、カルバート中央の間口を選択しやすくなると思います、本当は間口をもう少し広げたいのですが…今後の課題です)、この個所はこれが完成形では無いと思っていますので、産卵・遡上を観察し、以後の改良を実施したいと思っています。
(これらの改善作業は地権者・管理者の許可・協力のもと実施しています)

また幾つか問題個所は有りますが、関係機関と連携を図り改善に向けて活動していきたいと思います

BBK