猿払は時より雪が舞う程度で殆ど積雪は在りません、
今日は冷え込みが厳しく、鬼志別川は早朝薄氷が張っていました
明日からは少し暖かくなるようですが生憎の雨です…
 
村内のイトウ産卵河川には林道が交差している個所が多く橋、土管、カルバートパイプなどが存在します
それが時としてイトウの遡上を阻む脅威と成ります
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この様に河川規模にそぐわない口径のパイプが設置され、河床の高さとはかけ離れた高さに埋設される事が
遡上の障害に成る主な原因です
直ぐ隣には大きなパイプコルゲートが設置されていますが上流側の流路がたびたび変わり、上の写真のパイプに流れています
この産卵河川には約20の産卵床を確認していますが、このコルゲートが遡上を困難にしているようで産卵床の年次変動が激しくなっています
2008年には10床 2012年は16床 2013年は8床 2014年は9床 
恐らく雪解け増水の頻度と規模の条件により、このカルバートが比較的遡上しやすいまたは、隣のカルバートが利用できるなどの条件によって上流側の産卵床数が変化するのではないかと推察されます、
そもそも産卵床は年次変動が有りますので上記の原因だけではないと思いますが、産卵期にここへ来ると
二つのコルゲート間をウロウロするイトウや落差のあるコルゲートに向け果敢にジャンプする姿を確認できますので、遡上の障害になっている事は間違いありません
2009年に、この川の支流でイトウの稚魚を発見し支流でも産卵している可能性が高くなりました、と同時にここにも遡上障害になるコルゲートを発見
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格差、口径はさほど問題ありませんが…内部が閉塞しやすい構造になっています、これは雪や作業者の通行でコルゲートがつぶれないように内部で支えを架けているからです
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完全に流下物で閉塞しています、流量と水深が有れば乗り越えられるのですが、
閉塞部から流れ落ちた後の水深が足りないためか遡上出来ないようです
 
稚魚発見翌年にこの上流の産卵床を調査しましたが2010年には産卵床、稚魚も確認されず、内部の閉塞物を撤去、翌年するものの産卵期の雪解け増水の時には直ぐにこの箇所は閉塞するようで、2011年も産卵床、稚魚共に確認できませんでした…
ここの状態次第で遡上を左右すると推察されます、
その後も2012年は産卵床が8床と一安心しましたが、13年 14年は0でした
ここの構造そのものを改変するか、コルゲートを撤去する方法を模索しましたが
この林道は現在廃道扱いに成っており、土地所有者の話では猿払村に移管されたとの事でした
 
このたび機会が有り猿払村の管理担当者と副村長が現場を視察する事になり
管理の所在を確認し村の管轄の場合は遡上障害の要因を解消する運びと成りました
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イトウの聖地、猿払川でもこの様な問題はまだ幾つか存在します、それらの解消に向けて明るい兆しが
近年見え始めています。
 
BBK