小泉八雲に思う・・「真の日本人」になるためには | 世のため人のため~“メガホン侍” 伊藤央

世のため人のため~“メガホン侍” 伊藤央

代議士秘書10年、山口県防府市議6年。現在は東京都小平市議(2期目)。地方から日本を改新し、世界を救うことを目的に活動中。日々街頭に立ち、思いと政策を訴える“メガホン侍”。

先日、日本が人口減少時代に入ったというニュースから、少子化の問題や男女共同参画についてなど書いたところ、色々ご意見をいただきました。

私の登録しているメールマガジンから先日送られてきたものに、こんな記事がありました。素敵な文章で、「これぞ私の言いたかったことだ」と思ったので、ご紹介します。


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  私でも何かできることがあるにちがいない
                工藤美代子 ノンフィクション作家
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 私は今まで、あまり社会と関わりのない生活を送ってきました。作家として、あるいは主婦として、自分の行動範囲のなかでの秩序が保たれていれば、それで良いと考えていたのです。
 しかし、昨年あたりから、何か変だ、おかしいと感じるようになりました。新聞やテレビに目をやっても、親が子供を殺したり、子供が親を殺したりといったニュースが日常茶飯事のように出てきます。
 かつて明治の時代に日本へやって来たラフカディオ・ハーンというイギリス人がいました。彼はギリシャで生まれ、アイルランドで育ち、アメリカで青春時代を過ごした後に中年になってから日本の土を踏みました。国籍はイギリスでしたが、いわゆる西洋文明なるものを嫌い、明治の日本を深く愛したのです。
そのハーンが日本人の母親ほど自分の子供を可愛がる例は見たことがないと書いています。日本人の母親は、子供のためならば、あらゆる犠牲を惜しまないと絶賛しています。
 そうした愛情豊かな母親が、現代社会にもいないとは思いません。しかし、残念ながら自己中心で、子供を育てる能力の欠如した大人が猛烈な勢いで増えているのもまた事実なのです。
 男女平等を叫ぶ人々はたくさんいます。確かに、男女は平等であるべきです。しかし、ハーンは自分の妻に、あなたの協力がなかったら、私はこれだけの仕事はできなかったといって、こころから感謝しました。
 女性が家庭にあって夫を助けるということが、まるで時代遅れの悪い習慣のようにいわれる社会は間違っていると私は思うのです。
 なんとかハーンが愛した美しい日本の伝統を守りたい。(以下略)

あぁ、なんで私はこういう風に書けないのだろうかと、反省。

ところで、文中の「ラフカディオ・ハーン」とはご存知の通りあの「小泉八雲」のことです。文中で「国籍はイギリスでしたが」とありますが、後に日本に帰化しています。

私も子どもの時、彼の著作「怪談」を読んだことがあります。その後、「小泉八雲」という人が外国人だったと知ったときにはびっくりしたことを憶えています。それほど、日本の風景、心などを見事に描写しているからです。

彼は「真の日本人」であったろうと思います。「日本人の両親から生まれた」から、「日本という国で生まれた」から、「日本人だ」とは限らないのだと思います。日本固有の自然、文化、伝統、精神などを愛する心をもってこそ、「真の日本人」になれるのだと思わせてくれる人物です。