美濃市の観光の取り組みを視察しました。
午前中、担当職員の方から「うだつの上がる町並み」形成の事業を中心にレクチャーを受けた後、実際に町並みを見に行きました。
「うだつ(卯建)」とは、隣家との堺の屋根の両端に立ち上がった壁で、本来は防火壁でしたが、美濃和紙の卸で財をなした豪商たちが富の象徴として競いあうように装飾などに凝るようになったそうです。
このうだつが残る家が19軒も残っているところは珍しいそうで、他の建物も含め古い町並みを守り、また復活させる取り組みを行なっておられます。
路側線や横断歩道に御影石を使ったり、道路標識を通常のものより小さくし、ポールを茶色くするなどして、景観に配慮しています。
一般会計の予算が80億ほどの人口2万3千人の市で、この町並み形成事業に6年間で9億円をかけているのは凄いです。
その他にも「美濃和紙あかりアート展」を開催し、2日間で13万人が訪れるそうです。
このような取り組みで、観光客は以前に比べ10万人以上増加しているとのこと。しっかり結果を出しておられます。
「うだつの上がる町並み形成事業」は、ある団体が、昭和60年に空き家だった今井家住宅を清掃し、中庭の水琴窟(柄杓で水をかけると反響し、綺麗な音を奏でます。写真)を復元し、公開を始めたことが発端だったそうです。
現在では、この今井家住宅は美濃史資料館としても活用され、うだつの上がる町並みのシンボル的な存在となっています。
前述の“ある団体”とは私も所属する青年会議所(JC)です。
多分、うだつのある風景は地元の人にとっては当たり前の古い町並みで、かつては価値を感じる人も少なかったのでしょう。
しかし、それを宝物だと意識して、光を当てた美濃市のJCがまちを変えるきっかけを作ったと言えるでしょう。
最近、JCでは全国的な協働運動が盛んになりつつあります(もちろん各地域の特性を活かした事業も展開されていますが)。しかし、地域に密着し、そのまちが本来持っている魅力、潜在能力をまずは住民に意識してもらい、まちを人を動かしていく…これが望まれるJCの姿ではないかと感じました。
「美濃和紙あかりアート館」や今井家住宅、町並みなどを見学した後、昼食も兼ねて「道の駅美濃にわか茶屋」を視察。
この道の駅は備蓄倉庫や飲料水貯蓄槽、自家発電設備を備えた防災拠点としての役割を持つ珍しい形の道の道です。
午後は「美濃和紙の里会館」を視察。
丁度、地元の中学生が自分達の卒業証書のための和紙をすいているのを見ることが出来ました。
美濃市の職員の方には昼食をまたいで、長時間お付き合いいただき、感謝です。
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