ネトウヨが決めた日本の構造 | 夏炉冬扇の長袖者の尉のブログ 

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 昨日取り上げたmidori-itouは、私が聖武天皇の大仏建立を、国民に酷い負担を敷いた悪政と書いたら、大逆罪で死刑だと言いました。現在は大逆罪などありませんし、大逆罪が存在した戦前であっても、大昔の天皇の政治に対する批評が大逆罪に当たることはあり得ません。

 

 1947年改正前の刑法第73条は「天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ危害󠄂ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者󠄁ハ死𠛬ニ處ス」であり、生きている直系皇族に対して危害を加えるか、加えようとした場合であり、生存していない過去の天皇は含まれていません。

 

 あいちトリエンナーレ2019 表現の不自由展・その後 で、大浦信行氏の作品の展示を認めた愛知県知事と芸術監督は大逆罪で死刑だと言っていたネトウヨは言っていました。

 

 その一方で、上皇が天皇の頃に、韓国へ行って自分たちにも韓国人の血が流れていますと言ったときや、埼玉県の高麗神社へ参拝した時には、ネトウヨは天皇であった上皇に対して罵詈讒謗を浴びせていました。今でも秋篠宮に対しては、娘の教育がなってないなどといった誹謗を繰り返し、皇后や上皇后に対しては出自に対する中傷をしていますが、これを大逆罪とか不敬罪とかいう声はどこからも上がって来ません。

 

 一般人は過去の天皇を批判しても大逆罪で、ネトウヨは今の天皇や皇族に罵詈雑言を浴びせてもどこからも批判されないどころか、天皇や皇族に落ち度があるからネトウヨ様に叱られるのだ、天皇や皇族は反省しなければダメだといった話になってしまいます。

 

 どうしてこうなるのか、ネトウヨが決めた日本の構造が下のようなかたちになっているからです。

 

 日本の最上位        日本【日本の意思はネトウヨによって代弁される】

                      ↓

 日本の上位層        天皇と皇族【日本の意思の代弁者に教導される存在】

                      ↓

 第三位層          憲法・内閣・国会・最高裁【日本の意思の代弁者の言葉に従うべき存在】

                      ↓  

 中間層           自衛隊【日本の意思の代弁者が持つ統帥権に従う存在】

                      ↓ 

 下部層           最底辺層を除く一般国民【日本の意思の代弁者に絶対服従する存在】

                      ↓ 

 最底辺層          外国人、アイヌ人、琉球人、帰化人【日本の意思の代弁者に差別される存在】

 

 天皇や憲法の上部構造として日本という概念が存在していて、日本に逆らえば反日になるから、日本は神聖不可侵な存在であって、日本に住む人間は日本の意思に従うべきであり、その日本の意思は選ばれた愛国者であるネトウヨらよって代弁される、という天皇が頂点にいた明治憲法とは異なる国家のかたちをネトウヨは作ってしまったのです。

 

 その結果、一般国民が過去に居た人も含めて批判することが許されない天皇皇族でも、ネトウヨは日本の意思として誹謗中傷罵詈讒謗することが出来るということになってしまっているわけです。

 

 一般国民は日本人であれば日本の意思に従え、従えない者は日本人ではないから日本から出て行けとされてしまうわけです、天皇や憲法の上に日本を持って来て、日本は絶対的な権威であるから反日は許されないとして、日本の意思は自分たちが代弁すると決めてしまうことによって、ネトウヨはこの国での独裁者の立場を獲得したのです。これをネトウヨ特権と呼びます。