アイヌ民族 珍説と正論  | 夏炉冬扇の長袖者の尉のブログ 

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 アイヌ民族に関して、先日取りあげたサトウのタケの仲間の櫻井証と称する者が、応援するつもりなのかこんなことを書いています。

 

【アイヌは先住民族じゃないのは歴史学者の間ではもう完全に解明されてますよ。それは私も知っています。先住民は縄文人で、アイヌは大陸の変な民族に追いやられて縄文人の住んでる北海道に逃げ込んできた大陸人ですから。

つまり、縄文人つまり大和民族より新参者で、侵略者といっても差し支えないわけです。ただ、縄文人が非常に平和的な民族なので、結構、受け入れてあげたんでしょうね。先住民族で迫害されたなどというのはとんでもないデマです。】

 

 「歴史学者の間ではもう完全に解明されてます」縄文人の時代のことを言っていて文献がないのですから、考古学になると思うのですが、解明した歴史学者は誰でどんな資料を用いたのでしょう、これでは何も分かりません。縄文人が非常に平和的な民族であることを裏付ける証拠は出土しているのでしょうか、差別主義者は他人には証明を常に過酷なかたちで求めますが、自分たちはなんの証拠も示さずに断定します。

 

 次に紹介するのは、私のブログに寄せられたラム夫さんのコメントです。

 

 【サトウ某はDNAがどうのと言っていますが、サトウ某など足元に及ばないほどの頭脳の持ち主である偉~~~い学者さん達が研究結果を平成24年に発表しているんですがね。

 その研究によると、分子遺伝学的には大和人とアイヌは共通の祖先、つまり縄文人から派生した集団であることを示しており、さらには大和人よりアイヌや琉球人のほうが縄文人の遺伝形質が色濃く残っているということが判明しています。以下に東京大学HPのプレスリリースを添付します。

 【記者会見「日本列島3人類集団の遺伝的近縁性」】
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/p01_241101.html

 ヒトゲノム解析が行われるはるか以前より、縄文人とアイヌの関連性についての考察は存在しており、明治期には頭骨比較研究も行われているのですが、ヒトゲノム解析研究は「アイヌ=縄文人の末裔説」の信憑性を一層高めるものとなった次第です。サトウ某は「縄文人はアイヌより先に北海道にいた!」と考えているのでしょうが、そうではなく「北海道にいた縄文人の末裔がアイヌである」と考えるのが妥当ということですね。】

 

 「分子遺伝学的には大和人とアイヌは共通の祖先、つまり縄文人から派生した集団である」歴史学者の間での解明など、一発で吹っ飛ばすものです。縄文人が先住民で、そこからアイヌ人と大和人が分かれたのであれば、北海道の先住民、本州の先住民で良いわけです。東京大学HPのプレスリリースも添付されており、差別主義者が求める証明も用意されています。

 

 偏見なしに、ふつうの知能の人が両説を読めば、間違いなくラム夫さんの書いていることを支持するでしょう。日本を単一民族国家ということにしたい、過去の差別の歴史を修正したいといった歪んだ感情に囚われた、差別主義者、歴史修正主義者のみが櫻井証の言い分に賛同するはずです