オプトメトリスト検眼 ~内斜視がプリズムで軽減するケース~ | 鳥栖市のめがね・時計修理販売のお店 いとおのブログ

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佐賀県鳥栖市にあるめがね・時計屋です。オプトメトリストによる検眼、時計の修理、電池交換、機械式時計のオーバーホールなどお受けしております。鳥栖市内はもとより基山町、中原町、佐賀市、小郡市、久留米市など佐賀、福岡県各地よりご来店いただいています

こんにちは、オプトメトリストのいるお店のいとおです。

60代 男性 

主訴:

運転時に物がダブって見える。

右目と左目で交互に物を見ると見るポイントがずれる。

 

現用メガネ度数(視力値)

右 -0.25 C-1.50 x160 (0.5)

左 -1.75 C-0.75 x10  (0.5)

 

~考察~

見づらい原因がまず眼鏡度数による視力値が小さいことにある。主訴が物がダブって見えることだけであればこれで問題は解消するのだが、左右で見ているものが分かれていて2つに見えるという点が今回の大きなポイントとなる。つまり斜視の疑いがある。被験者は小さな近視をお持ちであるので大きな外斜位が影響しているのではないか疑いを持ちつつ斜視の有無を簡単に見つけられる検査であるカバーテストを行った。

 

カバーテスト

右恒常性内斜視

 

~考察~

予想もしなかったが左にのみ現れる斜視を発見した。お話を詳しく聞くと、物がダブって見えることが気になりだしたのが1~2年前とのことで、網膜剥離の手術歴と緑内障の治療中であることが分かった。

内斜視、内斜位は外斜視、外斜位に比べるととても少ないケースであり。それが影響して不具合を感じるケースが割と多い。内斜視の目は通常目が内方向に偏在しているので、遠方視をする時に目を外向けに運動(外寄せ運動)する必要がある。内寄せ運動と外寄せ運動の運動量を比べると、圧倒的に外寄せ運動の方が量が少ない。であるので、大きなない斜視があると両眼単一視をする場合、その分大きな外寄せ運動を求められるので、ある臨界点を越えるとものがダブって見えてしまうのだ。

 

#7(両眼屈折矯正度数)

右 -0.75 C-2.0x160

左 -2.25 C-0.75x10

 

 

#8(遠方水平斜位検査)

右10△B.O.

 

~考察~

#8を何度か検査を行って裏付けも取ったので10△BOは間違いない。但しこれをこの分だけ処方するの現実的に不可能である。

かといって少ないプリズム量だと効果の実感もないので丁度よい所で4△を左右に付加した状態で見て頂いた。ご本人の実感として物がダブって見えることは無くなったようで、見え方がかなり向上したようである。片眼に4△ずつ処方するのはいくらなんでもかなり荒療治感が無い訳ではないが、少し強めの処方が今回は必要かとも感じた。結果として少し落とした左右に3△ずつ処方を行った。

 

以上