自分のワンマンライブが終わったら、
まず最初にやろうとしていた「計画」があった。
それは「お面」を作る事だ。
1ヶ月ほど前、
近所のホームセンターで懐かしいモノを見つけた。
・・・紙ねんど・・・である。
僕の「過去の栄光」の一つに「図工・美術」が
かなり優れていたという事実がある。
学生時代は確実に10段階の中で10だった。
写生大会では最高の名誉である「校長賞」も取った。
そんな僕の過去の潜在能力を
「紙ねんど」が復活させようと僕に語りかけてきたのだ。
連日の熱騒動がまだ冷めない中、
寝てばかりいられないと家を飛び出て
ホームセンターに向かった。
文房具売り場に着いた時、僕は無邪気な子供顔で
絵の具、筆、ニス、粘土板、紙ねんど。
買い物カゴへ大事に入れていった・・・。
家路を急ぎ、
服の袖に紙粘土が付着して汚れていくのさえ気づかないまま
「計画」は「実行」へと確実に移されていた。
その間、体調が悪い事など忘れていた。病は気からだ。
制作開始から8時間が過ぎ、ニスを塗り最後の仕上げをし、
遂に完成という文字が刻まれようとしたその時、
僕の夢はモロいガラスのように壊れた。
目の部分に・・最初に穴を作るという工程を忘れていた・・・。
ただの置物になってしまった。
これでは「ともだち」に見せられない。