週に一度、病院へ通う。
行ったところで、何も変わらない。
先生も脈拍を測ったり、色々質問したりとわたしのことを知ろうとしていたが、この先生はただの小児内科医。
本で調べてくれた薬を飲んでいた。
わたしは、実験台にされた気分だった。
この先生のステップアップのための材料だ。
ただ、病院へはバスに乗って少し離れたところへ行くのだが、それは楽しかった。
母と二人のちょっとしたお出掛けだ。
平日だったから人通りも少なく、同い年くらいの人はみんな学校なので知り合いに会うこともない。
このときは知り合いに会うことをとても避けた。
例え小さい頃からお世話になっている親戚でも会うのを避けた。
会うのが嫌というよりは見られたくなかった。
病院帰りに美味しいパン屋さんがあるので、いつも昼食にと買って帰る。
ただ、わたしはそれを今すぐ食べたかった。
そこから歩いて帰り、家に着いたら手を洗い、着替えをして、テーブルをふき、飲み物を用意し、お皿を用意してやっと昼食。
パンを食べられる。
それが、無理だったのだ。
帰ってすぐの昼食なのに。
本当におかしなことだと思う。
だからわたしは家に着くと真っ先に母にばれないようにパンを取り出し服の中に隠し、トイレへ入り食べた。
がつがつばくばくと、グミを一粒食べるのと同じように普通の大きさのパンを一つ食べた。
食べているとき。
悲しかった。
食べたら食べた分太る。
それでもやめられない。
ただ、味わうこともなく、悲しい気持ちで食べ続ける。過食。
体重は70キロになった。
あまりにも急速に太ったため、実感がなく、寝て、目が覚めたらもとの脂肪のない細い体に戻っていて、普通に準備をして学校に行けるような気がした。
現実は、27キロ太ったのだ。
服が入らない。
制服は大きめに作られているため入るが、他の私服は何も入らない。
入ったとしても、ぱんぱんでとても外に出られる姿ではなかった。
病院へ行くときはいつも、部活で着ていた大きめのウィンドブレーカーを着ていた。
ある日トイレへ行った時、内ももに赤い卑劣が何本もあることに気付いた。
今まで見たことがなく、気持ち悪い。
驚いてわたしは何かのアレルギー症状が出たと思って母に見せると、ただの肉割れだと分かった。
また、スカートをはいて少しでも歩くとうちももが擦れるため、痛かった。
そして水ぶくれができるのだ。
わたしは確実に、脂肪が増え、ぶくぶくと太っていた。
デブになっていた。
食べたら太る。
当たり前だ。
脂肪に包まれてしまったわたしは、笑わなくなった。
母がいうには、当時のわたしは、
表情がいつも暗く、笑わない、何をしていても中身が無いような、好きなテレビ番組を見ていても突然部屋を出ていってしまったり、本当にわたしなのかと思ってしまうような状態だったという。
母は、わたしの知らないところで沢山泣いていた。
母は、この時とても辛かったのだ。
初めてのことにとまどい、悩んだ。
わたしはうつ病になった。