【 このブログは、25年前、重症再生不良性を発病し、骨髄移植をうけた当時の家族や、周囲の人たちの、記録となります。

当時の日記があって、育児日記や忘備録も兼ねていますので長文すみません。ブログ主は、現在元気で生活しています。】




11月18日日記のつづき




 

3時頃、M井先生はじめ、I田Dr、O島Dr、Y田Dr、が集まってお話といわれた。

 

どうも雰囲気が変。

 

ちょっと前から、肝機能のほうをみてるけど、どんどん悪化してるので、これはGVHDだということで、今からステロイドパルスをすることに。

 

あ、あの心臓バクバク病になるのかー。

 

泣いてやめてといいいたかったけど。

 

先生に、

「できるだけステロイドは使いたくなかったけど…。」と説得されて…。

結局おまかせするしかない。

 

肝臓にくるのだけは、恐い。

副作用のことはいってられない。

 

でも、あの心臓バクバクだけはー。

あの1日はお産よりきつかったかもしれない。

なにせ休みなしなんだもの。

心臓は。

誰か、この心臓をとめてくれないかなーと言いたかった。(言ってた)

 

「とまったら、大変なことになるよ。」と先生にさらっといわれた。

そりゃそうだー。

 

今のところ、なんともないけれど、血圧上昇、心臓バクバクにならなければラッキー。

 

なんとか乗り切っていって、しんちゃんのために、帰ってやらなければ。

 

「まってるね。」いつもそういってくれる。

いったいいつまで待ってるのか、全然わかんない、しんちゃん。

でも待ってるんだ…。

 

今日は、調子がいいので、お菓子の本をみたりもした。

シュークリーム作りたいなー。

 

早く元気になりたいー。

ずーっとしんどかった時は、なんか、一生こんなにしんどいのでは、社会復帰できないのではーと思ってたけど。

今日のように調子かいいと、早く体が元通りになれば、旅行も行きたい、お菓子もつくりたい、しんちゃんと遊びたいーと。

 


 

先生が集まってのお話は、相当シビアな時。

 

バンコマイシンを飲めないので、とうとう何かあったのか…。

「全身カビにやられてます…。」といわれるのか?

 

でもそうではなかった。

 

「今から、緊急にステロイドパルス療法をします。」

ということだった。

 

この時期、移植から20日以上経ってて、本当は、そろそろ色んな症状が落ち着いてくる時期。


しかし、肝臓の数字、AST、ALTが急上昇をつづけてた。

ビリルビン値も。

 

先生方の舞台裏では、色々焦っていたらしい。

GVHDかどうか。

 

O島先生が、しょっちゅう様子をみにきた。

「先生、肝機能悪いのって、わたし薬に弱いから、肝臓に負担がきてるんじゃないですかね。」

 

「それも考えられるんだよね。」

 

それで、薬を減らしたけど、数字が上がり続ける。

 

「実は、そうかもしれないし、GVHDの可能性が強いので、判断に困ってる。」

 

GVHDなら、薬を増やさなげればならないし、肝臓の負担となる。

先生方は、チームで毎週カンファレンスをし、患者の治療方針をたてる。

 

それで今からステロイドパルス療法をする、という決断となった。

 

ステロイドパルス療法というのは、ステロイドを大量投与し、徐々に減量していくというもの。

これが、副作用がひどくでて、結構な体の負担となるのだ。

 

そもそも薬嫌いのわたしは、

「薬、点滴に勝手にいれないでくださいね。」と言ってたから、先生も慎重にしてくださってた。

ちゃんと説明してくださってた。

 

この時は、一刻の猶予もないくらい、肝機能が悪化しつづけてたようだ。

 

「先生、これGVHDだとしたら、グレードいくつなんですか?」

 

O島先生とは、どんなことも、ちゃんとはっきり事実を言ってくださいねと、言ってたから。

 

「GVHDだとしたら、このままだと、グレードⅣになってしまう。そうなると…。」

 

はい、わかっております。

致死率80パーセントって…。


肝臓は、体にいれたものを解毒するのに頑張る臓器。

 

肝臓は、GVHDによる攻撃をうけながら、それでも薬剤を分解するのに、頑張ってる。

つまり、そのどっちもが大きなダメージとなってる。

 

肝臓が悪くなってると言われても、自覚症状がそうでもなければ、本人は冷静。

 

むしろ、ステロイド大量投与による心臓バクバクのほうがつらい。

しかし、ステロイドというのは、強力な免疫抑制剤。

ということは…。

ますます、全身カビにやられるリスクが高まる…。

 

先生方も、答えを手探りで探してる。

 

やっぱり、GVHDだと判断して、ステロイドパルスに賭けるという結論に。

色々なリスクを、重々承知で。

 

この時、自分の中では、それでも肝臓に来てるのは薬剤を投与し続けて弱ってるせいだと思ってた。


だからステロイドといわれて、説明受けても、すごく抵抗があった。

ホントにGVHDなのかな…。

体もつのかな…。

 

でももう、どうなっても仕方ないさー。

 

いつも、先生方集まっていただいて、気の毒…。

防護服着て、厳重に消毒して入室するわけで…。

 

普通の回診のときは、ガラス越しでインターホンだったけど。

 

この時はまだ、なんか、冷静だった…。

 

次回

「59 ステロイドパルス最中 息子がまた高熱」