【 このブログは、25年前、重症再生不良性を発病し、骨髄移植をうけた当時の家族や、周囲の人たちの、記録となります。

当時の日記があって、育児日記や忘備録も兼ねていますので長文すみません。ブログ主は、現在元気で生活しています。】


最後の最後の日。

 

色々、やっとかないと…。

 

爪を切ったり。

 
 
よーく、歯を念入りに磨いたり。

 

 

「ママ、あとで病院いくけど、つれてってね。」

 

「うん、しんちゃん、ママびょういんつれてってあげるからね。」

 

そんな会話をしてたのだけど、病院に帰る時間がせまってきた。

 

 

 

おばあちゃまの部屋に行く。

涙が止まらず、抱き合って泣いた。

おばあちゃま、ずーっとずーっと元気でいてほしい。

 

2Fに行って、パパおじいちゃん、妹ともバイバイした。

 

1階におりて、しんちゃんは、マーさんとブロックに夢中。

 

 

 

「あ、ママ、びょういんいく、時間だわ。先生よんでるわ。」

 

「とけいが、こんなんなってるねえ。」

 

しんちゃんは、ハッとした顔をしている。

 

「しんちゃん、またくるからね。すぐ帰ってくるから、もうここで、バイバイね。」

 

「ママ、えーん言ったらだめ?」

 

「ママ、えーん、ゆったらだめよ。」

 

「がんばってのチュってしてよ。」

 

「がんばってのチュ♡」

 

つらいけれど笑顔でわかれてよかった。

病院でバイバイするときでも、しんちゃん、ガマンしてるのがわかるからー。


ママもそうなんだ。


強がりというか、自分をおさえているわけー。


しんちゃん、ママに似てるんだから、やっぱりガマンしているー。


でも、この日は、結構、まーさんとブロック遊びに夢中だったのでよかったー。

最後に、お別れするの不安だったけど。

そりゃあ、あとで、泣きに泣いたけど、思ったよりも辛くなかった。

 

ママは、ぜったい生きて帰ってくるーと思っているから。

 

以前は、もしものことがあったら、金輪際会えないのだなーと思うことばかりで。

でも絶対成功するよ。ぜったいに。

2か月会えないけれど、頑張るねー。

ママのこと、忘れないでねー。

 

9時ぎりぎり、病院に着いたー。

おとうさん、バイバイー。




シンは、2か月とか、病気とか、よくわかっていない。

 

わからないまま、なんか、待ってる。

 

そう思うと、不憫でならず…。

 

なんで、あの子から、大事なママを取り上げるんだろうって。

あの子が生まれて、産後も一日も実家に帰らず、昼も夜も、ずーっとべったりだった。

病気になるまでは。

 

まあ、今思えば、ママと離れることになってよかったけども。

色んな世界がみれて、色んなひとに可愛がってもらって。

わたしは、あの子、難しいから、ママでないと無理と、思い込んでたんだよね。

 

べったりは、ママのほうだった。


次回 「53 准無菌室で断髪式」金曜日更新予定です。