【 このブログは、25年前、重症再生不良性を発病し、骨髄移植をうけた当時の家族や、周囲の人たちの、記録となります。
当時の日記があって、育児日記や忘備録も兼ねていますので長文すみません。ブログ主は、現在元気で生活しています。】
病気が発覚してから、毎日、自分の細かいデータをつけていた。
病気のことやら、薬のことやら、色々勉強もした。
でも、この無菌室にきてからは、もう、その気力はなかった。
そもそも、あらゆる勉強は、なんで、自分が骨髄移植というのを受けることが最善なのかを、納得するためでもあった。
というか、なんとか移植しなくてもいい方法はないだろうかと、わらにもすがる思いで、探っていた。
だから、もう骨髄移植に踏み切った以上、色々データを知ったところで、虚しい。
お料理番組やら、歌番組やら、ヘラヘラみてるほうがいい。
骨髄移植で、専門用語で「 GVHD」というのがある。
日本語で、「移植片対宿主病」
移植した骨髄液のうち、白血球は、外敵を攻撃する。
骨髄移植の場合、それが極力おこらないように、白血球の型が限りなく近い、ドナーさんから、移植を行う。
それでも、宿主を敵だとみなし、攻撃することがある。
それが、GVHD。
場合によっては、このGVHDによって命をおとすこともある。
そのため、シクロスポリンという、免疫抑制剤を飲み続けて、免疫がなるべく働かないように予防していく。
心臓など臓器移植の拒絶反応は、そこまでHLAを一致させなくてもよい。
拒絶反応は少ない。
骨髄移植は、そもそも自分を守ってくれる兵隊さんを、外からそっくり入れ替えるわけだけども。
外から入れた、守ってくれるはずの兵隊さんたちが、宿主を敵だ!と判断して攻撃すれば、GVHD。
それは、全身どこに出るか、わからない。
皮膚、粘膜、臓器…。
データによると、HLA適合の同胞(きょうだい)では、重症GVHDがでるのは、8パーセント。
骨髄バンクなどの、非同胞からの移植では、13パーセントということ。
自分は、8パーセントのやつ。
5人に4人は重症化しないというわけね。
GVHDには、グレード1からⅣまである。
グレードⅣになると、致死率80パーセント。
これが、重症化というやつ。
でも、自分の場合、移植前の前処置から、嘔吐、下痢、あと、アナフィラキシーのあとから、ずっと皮膚のかゆいのが治らなかった。
これら、全部GVHDの症状と同じで、区別つかない。
移植したあと。
まず、移植片が生着するかがひとつのヤマ。
生着後、移植片は活動を開始する。
前回の記事で、白血球が増えてきたと、あった。
これは、ひとつのハードル。
増えないと、もう、移植失敗だから。
ただ、白血球が増えてきたということは…。
その兵隊さんたちが、私自身を敵とみなすかもしれなくて。
GVHDの幕開けでもある。
いくら、HLAが一致してても、わからない。
兵隊さんたちがどうでるか。
新しい主人を敵と判断するか、否か…。
軽症、中等症92%グループにはいるか、重症8%グループにはいるのか。
ともかく、免疫抑制剤を投与し、兵隊さんたちがあまり活動しないように、抑制する。
それと同時に、自分の白血球はゼロだから、感染症を防ぐための抗菌剤、抗生剤、何種類も投与。
そもそも、すでに前処置の際の抗がん剤、および全身放射線で、体ボロボロ。
心臓もちこたえるのか…。
肝臓も…。
次回
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