【 このブログは、25年前、重症再生不良性を発病し、骨髄移植をうけた当時の家族や、周囲の人たちの、記録となります。
当時の日記があって、育児日記や忘備録も兼ねていますので長文すみません。ブログ主は、現在元気で生活しています。】
移植直後の、大事なお薬は、もう飲めないまま。
移植後、たった数日で、もう気持ちはリタイヤ。
このまま、なにかあっても仕方ない。
さっさと、あきらめよう。
だって、無理なものはムリだから。
心穏やかに、過ごそう。
そう、思った。
日記も書けない。
本も読めない。
苦労して滅菌した本は、一切読む気になれない。
気持ち悪くて…。
テレビを、ぼーっと観るだけ。
体にいれてる輸液が飽和状態のようで、水が一口も飲めなくなった。
飲み薬をのむだけの少量の水すら、飲めない。
給食に、缶の緑茶がついてくる。
一度も飲まなかった。
そもそも、食事は食べたのかな。
記憶にない。
テレビは、連日、オウム真理教のことをやってた。
でも、観たいのはなぜか、料理番組。
頭の中で、おいしいもの食べる妄想。
お料理のメモ、お菓子だったり、いっぱい残ってる。
退院したら、作ろうって思ってたんだな。
あきらめてはいなかったんだな。
移植後、ゼロだった白血球が増えてきた。
えみちゃんのやつが、増えてきてくれてる。
よかった〜。
これが、生着せずに、亡くなった例もある。
なすすべがなくなる。
あとは、GVHD(※1)がでるか、どうか。
相変わらず、全身が痒い。
体を拭くのは、苦痛。
消毒液をふくませたダスターみたいなやつで。
そのあと、タオルで拭く。
これ、寒気がしてるとき、とてもムリだった。
五分刈りの髪の毛が、いっぱい抜ける。
1センチくらいのが。
それが、大変。
タオルの繊維に埋もれてしまって。
一本一本、タオルについたやつを処理する。
以前指導医のI田先生に聞いたことがある。
「I田先生、どうせ移植になったら、髪の毛抜けるんでしょ。
移植前に坊主にする意味あります?」
「清潔を保つことが、大事なので。
それに、長い髪が抜け出したら、ショックでしょ。」
「そうか…。」
それにしても、このタオルのやつ、超めんどくさいなー。
少し長い髪の毛のほうがが取りやすいかもー。
なんて、思った。
次回
「56 GVHDのグレードⅣは致死率80%」
来週火曜日更新予定です。
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