【 このブログは、25年前、重症再生不良性を発病し、骨髄移植をうけた当時の家族や、周囲の人たちの、記録となります。

当時の日記があって、育児日記や忘備録も兼ねていますので長文すみません。ブログ主は、現在元気で生活しています。】

 
ずっと、移植前のエピソードが続いていましたので、ここで、移植後に戻ります。
 
時系列では
↓過去のブログ 「 18 白血球はゼロ 発熱 脱毛」
の続きとなります。
 
 

 

 

移植直後の、大事なお薬は、もう飲めないまま。

移植後、たった数日で、もう気持ちはリタイヤ。

 

このまま、なにかあっても仕方ない。

さっさと、あきらめよう。

だって、無理なものはムリだから。

 

心穏やかに、過ごそう。

 

そう、思った。

 

日記も書けない。

 

本も読めない。

苦労して滅菌した本は、一切読む気になれない。

 

気持ち悪くて…。

 

テレビを、ぼーっと観るだけ。

 

体にいれてる輸液が飽和状態のようで、水が一口も飲めなくなった。

飲み薬をのむだけの少量の水すら、飲めない。

 

給食に、缶の緑茶がついてくる。

一度も飲まなかった。

 

そもそも、食事は食べたのかな。

記憶にない。

 

テレビは、連日、オウム真理教のことをやってた。

 

でも、観たいのはなぜか、料理番組。

頭の中で、おいしいもの食べる妄想。

 

お料理のメモ、お菓子だったり、いっぱい残ってる。

 

退院したら、作ろうって思ってたんだな。

 

あきらめてはいなかったんだな。

 

移植後、ゼロだった白血球が増えてきた。

 

えみちゃんのやつが、増えてきてくれてる。

 

よかった〜。

 

これが、生着せずに、亡くなった例もある。

なすすべがなくなる。

 

あとは、GVHD(※1)がでるか、どうか。

 

相変わらず、全身が痒い。

 

体を拭くのは、苦痛。

消毒液をふくませたダスターみたいなやつで。

そのあと、タオルで拭く。

これ、寒気がしてるとき、とてもムリだった。

 

五分刈りの髪の毛が、いっぱい抜ける。

1センチくらいのが。

 

それが、大変。

タオルの繊維に埋もれてしまって。

 

一本一本、タオルについたやつを処理する。

 

以前指導医のI田先生に聞いたことがある。

 

「I田先生、どうせ移植になったら、髪の毛抜けるんでしょ。

移植前に坊主にする意味あります?」

 

「清潔を保つことが、大事なので。

それに、長い髪が抜け出したら、ショックでしょ。」

 

「そうか…。」

 

それにしても、このタオルのやつ、超めんどくさいなー。

少し長い髪の毛のほうがが取りやすいかもー。

 

なんて、思った。

 

次回

「56 GVHDのグレードⅣは致死率80%」

来週火曜日更新予定です。

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