集団塾のバイトって個別塾とどう違う?

 

  集団塾が個別塾と大きく違う点は、生徒の進捗状況に講師が細かく合わせていかないということです。逆に言えば、先生の指導に頑張って生徒が着いていかないといけないということです。個別塾なら、生徒の理解が進んでいない場合は次回の塾でももう一度取り上げるということが良くありますが、集団塾でそんなことはできません。生徒は次回の授業までにどうにか自分で解決せざるを得ないのです。

 

  こうなっている大きな理由は、講師が1コマで終わらせないといけない指導量があらかじめ決まっていて、仮に生徒が家庭の事情で遠い校舎に移動したとしても同じ授業を前の講師が終えたところからピッタリ始めることができるようになっているからです。このぐらいきっちりカリキュラムが決まっていないと、受験できる力を決まった時期までに全員に持たせることができませんよね。

 

  ということは、集団塾で働くには授業時間内に決まった量の指導をまんべんなく終わらせる力を求められるわけです。塾側としては講師間の品質にムラがあってはいけませんので、例えばテキストの前半はきっちり指導したけど時間切れで残り半分はおざなりになったとか、時間が足りなくて延長した、なんていうことも避けないといけません。すなわち、実際の授業を持たせてもらえるようになるまで、個別塾とは比べ物にならないような量の研修を行うところが多いということになります。

 

  今私が勤めている集団塾では、指導教官一人に対して私を含めて研修生二人の体制で三か月を費やし、その後本採用するかどうかの実地試験もありました。研修の間は本採用後の時給の6割程度でしたが、それでも個別塾の時給よりははるかに良かったですし、今後の自分の成長が楽しみでもありましたので、研修自体は苦にはなりませんでした。ただ本当に本採用になるのかなと心配なまま数か月を過ごすので、それはストレスではありました。

 

  研修が大変そうだなと思うと思いますが、集団塾では一回の授業で大人数の生徒から授業料をいただくということになるので、個別塾よりはずっと時給がいいです。研修を頑張って乗り切れば、お財布が潤ってきますよ。

 

  集団塾で働く他のメリットは、生徒個人に合わせなくていいので小試験をあらかじめ塾側が用意してくれていることです。塾によっては採点すら他のスタッフが行うことがあります。個別塾では生徒毎に講師が毎回作り、毎回採点をします。それから、授業で使う講師用のテキストは生徒と同じものを配布するところが多いので、個別塾のように毎回コピー機の前で行列ができることがありません。要は、授業前後の雑用が少ないという意味では講師への負担が少ないと言えるでしょう。
 

  集団塾で働くか、個別塾で働くか、指導方法が大きく違うことに加えてご自分の性格もあるでしょうから、迷うところではあると思います。ただ時給は集団塾のほうがはるかに高いですよ。20人程度の生徒の前に立って緊張せずに話せるような度胸があれば集団塾に挑戦してみる価値はあると思います。自分自身がシャイであればちょっと難しいですね。