大会の前になると選手がコンディションを整えに来院しますが、さて、いったいスポーツコンディショニングって何なんだ?ということを、陸上競技について主に取り上げながら考えていきたいと思います。
さて、8月20〜22はユニバー記念競技場で、兵庫県ユース陸上競技大会が行われました。
全学年で戦うインターハイと違って学年別の大会で、3位以内に入ると近畿ユースへと駒を進めます。
当院に来院する高校生の結果は様々でした。
・直前にコロナ感染して出場出来なかった選手
・怪我明けで何とか間に合ったが、ベストなパフォーマンスには至らなかった選手
・自己ベストで近畿ユースの権利を得た選手
等々。
"大会で自分の持てる力を100%発揮できて、自己ベストを出したい!"
選手なら当然そう思うわけですが、なかなか全ての出場した大会でそうはならないわけです。
何故なら、まずは環境面。100m走であれば、その日によって風向きや風速も違いますから、強い向かい風が吹いたりするとタイムは落ちますし、逆に追い風が強すぎると追い風参考記録となって公認記録になりません。
開催される競技場によっても違います。あそこの競技場はよく記録が出るとかは、陸上あるあるです。世界陸上が行われた大阪の長居第一や、奈良の鴻池とか。同じ400mのトラックなのですが。タータンの材質の進化とか、うまく風が追う方向に回っているからなのか、定かではありませんが。
雨や気圧など天候の影響もありますね。もしくは、何か今の科学では解らない要素もあるのでしょう。みんな何故かその日はいい記録が連発して、自己ベストがやたらと出る時や、逆に何故か全体的にみんながタイムが悪い日があったりするのも、陸上あるあるです。
だいぶん話が逸れましたね。
今まで書いたことは、レース当日の環境の問題であって、自分ではコントロールできない部分ですから、仕方ありません。
したがって、全ての出場する大会で全て自己ベストが出ない原因は、このような自分の努力では変えられない要素が関係している一面があるということです。
しかし、大会当日のコンディションを自分の努力で変えられる面も、一方で当然あります。
これは1日で良くなるものではなく、大会当日に至るまでの期間(長期的あるいは一定の期間)をどのように準備して過ごしたのかということが関係します。
当たり前ですが、怪我をして日々の練習が予定通りできなければ、筋のパワーや持久力を含めた体力は充実しないでしょうし、走りの技術的なイメージを再現できる確率も下がるでしょう。
また、いくら質の高い練習をしても、栄養(食事)、休養(睡眠)の習慣が悪ければ、疲労を回復して身体をアップデートできませんから、ストイックに私生活にも気を配る必要があります。
ここでまた、陸上あるあるというか、陸上に限らずスポーツあるあるですが、試合になると力を発揮するタイプの選手がいます。いわゆる、本番に強い選手です。
メンタル面が関係しているのは間違いないですが、生まれ持っての性格だけではありません。日々努力してきて得られた自信というか、ここまでやってきて駄目だったら仕方ないと開き直れるだけプロセスに妥協が無かったかがその鍵だと思います。
このように、コンディションは、自分では変えられない側面と、自分の努力によって変えられる側面とがあるということです。
では、我々が治療でサポートできる、施術的な側面としてのコンディショニングについて、中編や後編でお伝えしたいと思います。