参考程度に,これまで調べてきた情報の一部を書き留めておきます。

 

◯令和4年4月1日現在の県別の最終処分場設置許可件数(環境省)

(遮断型・安定型・管理型の総計)

北海道が,285箇所でダントツ。

愛知県が,95箇所で2番め。

広島県は,76箇所で全国3位。(広島県に遮断型は無い)

山口県が,70箇所で4番目。

福島県が,64箇所で5番目。

 

◯産業廃棄物処理施設の設置に係る条例等の制定状況と設置許可件数について

条例 15

要綱・要領 31(広島県は要綱)

なし 1(東京都)・・・処分場は存在する

 

北海道や愛知県に条例があるにも関わらず,条例が許可件数の重しになっているとは言い難い。

条例の内容を確認したが,設置に歯止めをかけるには実効性に乏しい内容と思える。

法の範囲内で条例化を行っても,現段階では抑止にならず,運用についてしっかりと監督する必要があるように考える。

 

 

◯展開検査をしている実施報告として,JAB公開しているのは,

 

2022年

9月実施回数 5(うち異物混入による持ち帰り4台)

10月実施回数 7(持ち帰り5台)

11月実施回数 55(持ち帰り4台)

12月実施回数 96(持ち帰り3台)

 

2023年

1月 152(3)

2月 177(3)

3月 328(2)

4月 268(2)

5月 233(2)

6月 332(2)

 

水質検査や搬入種類実績等,法にそって公開されているので,誰でも見れます。

 

 

やっと・・・・本当にやっと「公式な現地視察」にこぎつけました。

 

元々,県議会議員の温度差は大きく,メディアに出ようとも地元でない議員,いや地元であっても様々な立場から温度差があるのは現実。

問題を解決するには,この温度差を縮め意見が通りやすくすることが大事と思っています。

そのため,この一ヶ月以上は,周りから何を言われても,住民代表から何を望まれても,じっと我慢。ひたすら事実を集めながら,行政にできることを要望しながら,そして,現地視察実現に向けて動いてきました。

 

住民・民間企業・行政・議員それぞれは,それぞれの立場の上で,発言したり動いています。

特に行政や議員はそれぞれの権限や責任において動いている中で,議員の役割の重みを感じつつ,できることと出来ないこと,もっと言えば,やるべきこととやってはいけないことの線引をしっかり見極めながら,自らの責任において政治活動を行っているものと理解しています。

 

時間がかかるのには,いろんな事がありますが,まず,公式な視察には委員会の同意がいること。しかもその前に,会派の同意がいること。その上で,議長の許可がいること。正確にいえば,委員会メンバーの同意と会派の会長の同意です。

民主主義にあって,議会の仕組みの中で,どんなに自分が大事なことだからと懇願しても,同意が得られなければ何も出来ない。

中には,マスコミにうまい具合にりようされないのか?とか,そもそも業者がOKをだすとは思えないとか,落とし所はあるのか?とか様々な意見がでるのは当然である。今の時点で大事なのは実情把握であり(温度差の減少),事の良し悪しや対応について話し合う場面でないので,説明し理解を求めてきた。

 

確かに業者も行政も立場上”ピリピリ”するのはわかるが,議会として,「この時点では」現地に足を運んで実態把握することに意義があると私は思って動いてきた。

副委員長の私は自民系で委員長は民主系のため,それぞれで会派会長を説得した。公明・無所属にも了解を得ての日程調整。

実は,いつ行くかについても相手のあること,公務が多く重なっている事もあり,なかなか決着つかなかった。

いよいよ,大詰めになって来たが,オーストリアで開催されたNPT準備会議への県議団の参加に議長や委員会メンバーも入っており,これも日程調整に手間取った理由である。

そして,8月8日に段取りしたところ,公務が入り,10日に延期。

今度は,台風の影響が心配され,結局前日まで大変な調整を余儀なくされた。

 

0.生活福祉保健委員会の開催

執行部から,指導後の事業者の対応や停止解除の説明があり,

その後,臨時視察の提案が可決され,現地へ。

 

1.JAB協同組合による産業廃棄物最終処分場の視察

(視察にあたって,安全確保のため場内にはマスコミや住民の立ち入り禁止,ヘルメット着用,危険防止のため個別での移動禁止,肖像権や技術漏洩対策のため写真・動画撮影禁止というのが条件。民有地であるため,持ち主の許可が条件となるため,これらの条件を受け入れた。)

・場内全体の説明

・搬入,展開検査の説明

・排水管の説明

・貯水池での説明

の後,事務所にて続きの説明。

 

※以前,何度か一人で見て回った時,溝の赤い汚泥のようなものが気になっていた。

 

これについては,鉄分を多く含む真砂山のため,鉄分の錆が赤くしているとの説明。

調べてみると,鉄イオンを参加する鉄バクテリアによる赤褐色の沈殿物や油のような被膜は,よく発生するとの事。

 

なるほど,私はなぜ住民のみなさんがこの件を問題にしなかったのか疑問に思っていたのですが,自然界においてはよくあることなのですね。

 

2.住民からの実情調査

会場を近くの集会所に移して行われました。

 

これまでの打ち合わせの中で,マスコミを入れないことと住民代表のみの参加をお願いしていました。

これは,混乱を避けること。この場で最も大事なのは,実情把握であり,怒りを受け止める事でないと考えています。お怒りはごもっともですが,怒って問題が解決できるわけではありません。何が起こるかわからない状況はできるだけ避ける約束で,岡田共同代表とは,個人的にやり取りしていました。「岡田さんからの説明,住民代表2~3名の声を聞く」次の行程もあり,時間的にそのくらいの余裕しか無い。選任はまかせるので,多くの人が来て混乱するのは避けたい。と伝えていました。どうしても来たいという人もいるだろうから,それは妨げないが自由な発言は控えるよう調整をお願いしたいとも伝えていました。

本人にその意志がなくても,多くの人数が居て圧力をかけるやり方は,逆効果になる場合もある事を理解してほしい。少なくとも私は,それは前時代的なやり方で,話し合いとはかけ離れた方法と思っています。(気持ちはわかりますが,時と場合を考える事が必要と思っています)

 

岡田共同代表から,実情説明があり,地域住民の方2名から訴え。

少なくとも私は独自に動いているので目新しい話は無かったのですが,他の委員会メンバーには現状が届いた事と思います。

 

3.三原市議会議長との意見交換

(議長・副議長による対応)

三原市議会から臨時議会で総員可決による意見書が県に出されている件について,その経緯や内容について意見交換。

冒頭の意見の部分について,わかりにくい内容についての質疑等ありました。

最後に意見として2点書かれており,その確認も行われました。

 

4.竹原県議会議長との意見交換

(副議長・議員x1)

意見書の内容については,処分場の運用について,厳しく監督する事が求められていました。

 

両市議会においても,議長対応とさせていただいたのは,人数が多くなると一人ひとりの思いが交錯し,実情把握に支障が出る可能性があるため。(今回は,あくまで意見書に関する事に絞った意見交換でした)

 

実は,現在の処分場は,三原市と竹原市にまたがっており,その割合は圧倒的に竹原市が大きい。面積的には3:7くらいではないかと思われます。

現在は,三原市側で埋め立てられていますが,今後は,竹原側も開発が進みます。

 

 

5.委員長による報告・対応

議会に戻ってからマスコミに対応しました。

当初の目的達成のため,混乱を避けるためです。

 

この日帰るのが遅くなったため放送は見ていませんので,どのように放送されたのかはわかりません。

 

最初からマスコミを入れて,しっかり活動を報道してもらいたいという意見もありましたが,パフォーマンスのために視察に踏み切ったのでなく,議員間の温度差解消のため実情把握に務める事が目的なので,混乱要素になることは極力避ける事にしました。

 

自由闊達な意見交換という言葉はよく耳にしますが,「なんでもあり」は自由ではない,単なるカオスである事を念頭に活動を続けます。

 

ちなみに,その後日,処分場の近く(でもないか)の知り合いの所へ話を伺いに行きました。

ここに行くと,1時間で話が終わったことがなく,この日は2.5時間。そのうち肝心な話は30分程度だった気がします。

ま,それは良いのですが。

このあたりの地形について。

鉄分を含む山について。

農業(水稲)をしている関係について。

このあたりの歴史について。

河井問題について。

国道やバイパスのあり方について。

国会,県議会,市議会議員のあり方について。

などなど,ご意見をいろいろ頂き,様々な意見交換ができました。

この方の結論は,この世で一番わるいのは「人間」ということでした。

わしらは,TVのニュースしか情報がないけ,たぶんえぇかげんな事しかわからん。

どんな事も立場で善悪は変わる,あんたは真面目じゃけ大変じゃろぉけど,がんばんなさい。

との事でした。

 

う~む・・・真面目かどうかは別にして欲しい気がします。

これまでの経緯の中で,行政の動きが遅いという話があったので,少し触れておきたいと思います。

(個人的な意見もかなりはいっています)

 

誰もが,起こった問題に関して,どんな場合でも一日も早く解決したいと思うのは同じであると思っています。

民間企業でいうと,クレームは早期対応が必須で,伸ばすとクレームがトラブルに発展すると言われて,営業現場とクレーム対応班での連携は重要です。問題の種類にもよりますが,これができないと,企業イメージの低下やひいては収益の低下につながります。

 

問題は行政の場合。

収益事業であろうがなかろうが,民間企業とはその存在意義が違うので,別物として考える必要がある。

行政の前提は,住民一人残らず幸せに暮らせる環境を提供する義務がある。が,現実はかなり厳しい。

行政は正義の上に成り立たなければならないが,十人十色の世の中で完全を目指しても達成は難しい。しかし,目指さなければならない。

 

この目指すというのが大きな足かせになっていると思われる。慎重にならざるをえない。

 

特に,法律は完全でない。だから不可解な判決も起こる。しかし,法治国家なので,判決に従うことになる。

今までの繰り返しになるが,県が控訴したのは法に則って許可をしたと言っているので,控訴をするなというのは自由であるが,お互い自信があるはずなので,裁判で決着するしかない・・・と思っている。(時間がかかる)

 

水の検査については,

これだけ大きな問題になっているので,担当者が決めれるものではなく,どこまでかわからないが,内部で議論をするのは当然で,それこそ法に照らし合わせて,何をどこまでするかが決定され,段取りをが進められているものと考えられる。

たとえば,不用意に結果を発表し,これを営業妨害ととられたらどうなる?告訴もある?かもしれません。

当然慎重になる(時間がかかる)

 

つまり,住民と行政との感覚の差というか,立場の違いが混乱を助長していっているように感じる。(これは,現在の制度設計上話し合いが平行線のまま進む原因の一つと思う)

 

平行線ではあるが・・・この対応・対策時間をどれだけ圧縮できるかが行政としての課題とおもわれる。

議員としてできるのは,この時間圧縮を促す為に各所にお願いすること。お願いの仕方も,しっかりと事実確認を行った上で,そして,何をどうするべきかを考えた上でなければ,単なる伝書鳩と同じになってしまう。

 

世の中は多面。

行政が全てを公開すれば,かならず混乱する。線引も難しい。だから,表に出る情報は限られ,これが不信感にもつながる。

誠に残念な話。

 

不完全な世の中において,唯一の解決方法はコミュニケーションだと感じています。説明と話し合い。

この場は,糾弾する場でなく,(言葉は悪いかもしれませんが)落とし所をみつける場として。

100%を目指すと,結局解決には届かない気がします。

これが出来なければ,平行線のまま。

 

引き続き,これも求めていきます。