昨日の夜、また爺たちの集いをしました。

そこで、またこの図を見せて、「いくつ見えるか?」と

みんなに訊いてみました。

だれもが一つと答えました。2つあるという理由を話したら、

一人は「どう見たって一つ」だと怒りだしました。

 まあ、仕方ありません。多くの人は地球は丸いという知識はあってもユークリッド幾何学の世界に慣れ親しんでいるからですね。中学校で教える数学に偏向があるからとも思えてなりません。

平面の世界に住んでいるというのが「常識的な空間感覚」なのです。

 マクロ的には我々は球体の表面に住んでいて、実は非ユークリッド幾何学の世界にいることを実感しにくいことは事実です。   

逆にいえば、ユークリッド幾何学が「仮想世界」であることも分かりくいことです。

 なお、実を言えば、僕がこの正円で述べたことは、紙に書いた正円を裏から見ているのと同じことですね。

 さらには、左右非対称なものでは、左右が逆になって2つじゃなくなります。

 「左右」、これまた本当に面白いけど難しい話です。いつか、自分で考えて論じてみたいテーマです。

 

 「地球観」の件、今でも使われますが、メルカトル図法が多くの人の頭にこびりついているのも同じことですね。

 

 

 

    ac.illust.comより

 

メルカトル図法は平面の地図で方角を表すのには一番わかりやすい

ことは確かです。 モルワイデ図法とか中学生の頃に習ったでしょうが、メルカトル図法は強いですね。

 

まあ、地球儀があれば、非ユークリッド幾何の世界で自分がいる場所を正確に知ることはできます。

 

そして、今はグーグルアースのおかげで地球を回したり、小さくしたりと仮想世界で遊ぶことができるようになりました。

地球は丸い。その表面に我々は住んでいるということが、以前よりも

はるかに「実感」できるようになりました。我々が高いと感じる

山なんてのも実際は「ほくろ」のようなものです。

 なお、グーグルアースなんてのは「遊び」で作られたものです。

そうとしか思えませんね。 だから面白いのですよね?

 

地球が丸いということは、この大地が曲がっていること。反対側では人が逆立ちしているように面上を生きていることです。

地球が丸いことは月食での影の形やら、遠くの船のマストが何やら、高台から大海原の水平線を見て気づいたとか諸説ありますが、本当のところは、わっかりませ~ん。

 しかし、ギリシャ時代にエラトステネスは地球の周径まで二つの場所の距離と太陽の仰角の観測で導いたのです。偉いですね。

 

非ユークリッド幾何学といえば天才ガウスです。彼自身は非ユークリッド幾何学を発表するのを逡巡していたようです。常識と非常識という、人間が一番陥りやすい認知の歪みの「悪性さ」を知っていたからでしょう。

 

ガウスの非ユークリッド幾何学は「ガウスの曲率」で三つのものに分類しています。我々は一番右の世界に生活しています。一番左の世界だとどうなることやら?

 

    Wikipediaより

 

こういう図を見れば、思いつく人は思いつくでしょう。平面があるなら、その裏があると。

「裏と表はどうなってるねん?」

そこで考え付いたのがトポロジーなのかなあ?

 真ん中の円筒形の図を見て連想したのが宇宙コロニーの想像図。

 

   Natural Spce SocietyのHPより

 短くて幅の大きな円筒形です。回転して遠心力で人工的な重力も作られます。円筒の裏側の世界ですね。

 だんだん文章の軌道が脱線してきました。

   

 メビウスの輪とか、最近書いた「宇宙二元論」で発想の元になったクラインの壺はトポロジーのショーウィンドウの品のようなものです。

 トポロジーは「位相幾何学」と訳されています。

 GPSの精度を上げるのにも応用されているようですが実のところは語るほどの知識はありません。

 GPSといえば、GPSの精度を高めるのに、特殊相対性理論が使われています。秒速8㎞でも、実際の位置計測となると衛星に搭載された原子時計の遅れはけっこうな測定誤差を生むからです。

 量子論がなかったら、今の半導体技術やMRIなんて医療器械も存在しません。 けっこう世間では純粋科学だと思われているものが実用技術化されていますね。

 流行ってきた「量子コンピュータ」だけじゃありまへん。