Google Earthで見れば一目瞭然。大西洋南部にあるフォークランド諸島はパタゴニアから1000Km程度の沖合にあります

1982年に100年の恨みからか、アルゼンチンは英領であったフォークランドに侵攻しました。

 時の英国の首相はサッチャー。 相手が悪かったですね。

サッチャーは「国家主権」という大義を持って反攻。2か月でアルゼンチンを負かしました。相当の議会など反対にも関わらず、彼女は国家の国家たる原理原則を守ったのですね。もちろん、彼女は全体主義者とは正反対の国内政策を取って、英国の再興に務めました。

 この戦争の時、サッチャーは死亡した兵士のすべての家族に自筆のサインで追悼の手紙を送りました。強い政治家であるとともに、自身が双子の母親であり、家族に寄り添う心の持ち主であったのでしょう。

 

その後、英国経済は曇り空のような状況が続いています。アルゼンチンは経済は雨模様となり2001年には国家破綻に至った。その後、経済は波打って低迷を続けています。

 

 

パタゴニアからの帰り、ブエノスアイレスに夜中に着き、一泊だけしました。朝は8時の出発。1時間だけ、ホテルの周りを散歩しました。

 

ホテルの入り口にあったカラフルな馬の像。 

これが後でたいへん役に立ちました。

 

ブエノスアイレスは南米のパリと言われていますが、確かにそんな雰囲気があります。

 

中心ビジネス街の傍ですが歩道はこんな状況。米国でも見ること

 

 

上の歩道を3分も下るとビジネス街が見えてきた。まあ、今では

世界中の首都という名称がついた国ならありふれた風景ではある。

 

 

 

 歩道に並んだ巨大なゴミ箱の群れ。 もの凄い臭気。

今もまだ、鼻の奥に突き刺さっているような凄い臭い。

 腐臭がひどくても、けっこう現地の人は平気なのか?

そういえばヨーロッパの街も昔は酷く臭い街でした。臭いは服にこびりつく。体臭の問題も大きかったのでしょうが、それで香水が開発されたのでしょうね、

 レディの傘やハイヒールも、「排泄物」対処の発明でした。 

 

工事現場 ドラム缶でガードしている。向こうに見える建物は美しい

 

 狭い通りにも立派な塔のある教会。

 人間は塔が好きなんですね。パタゴニアの風景を思い出しました。

 「神」への憧れでしょうか?

 

 さて、ホテルの周りは「旧市街」のようで坂が多く、しかも道が入り組んでいました。ついでにあの強烈な悪臭のためもあって、自分が歩きながら描いていた「頭の中の地図」が変調をきたしてしまいました。

 つまり、迷子になっちゃいました。ホテルの名前??

 あちゃ、カードキーを部屋に置き忘れていました。

そうそう、あの馬の写真がある。 

それで、馬の像の写真を見せて掃除夫さんに訊いたら、

やはり有名なようで、2ブロック+2ブロック先にホテルを見つけられました。英語が通じて助かりました。

 

ホテルに帰ってみると、すでに、現地のガイドさんが来ていました。昨夜、一度会っていただけなのに素晴らしい記憶力です。

「散歩していらっしゃいましたね!」と言われました。

「この辺りもそんなに治安は良くないのですがご無事で良かったですね。」

 このガイドさんは日系3世。日本語は完璧で、所作に、何か昔の凛とした良き日本人を感じさせるものがありました。

 

「………… あのですねえ、一声かけてくださっていたら。」

と、言いかけたら、

「地元の人のように歩いていらっしゃいましたね。」

 

一本負けでした。

 

そのあと、バスに乗って空港に向かいました。

 

 

揺れるバスから必死で撮影した「独立記念塔」 オベリスクです。

ローマにしろ、エジプトから盗んできた英国やフランス、そして、

ワシントンにでっかいのを造った米国にしろ、ヨーロッパ系はオベリスクが好きなんですね。

 この辺りの街並みもパリに似ていませんか?

パリのシャンゼリゼに真似たような気がしました。コンコルド広場に

あるオベリスクもかなり意識しているのでしょう。

 

 

国には栄枯盛衰はあります。

 あれだけ広い国土があり、資源にも恵まれたアルゼンチンが低迷しているのは、僕にはフォークランドの失敗が大きいように思えてならないのです。これは、僕の勝手な解釈です。

 準大国になりそうだったのに、大義の無い無駄な戦いを行い、負けてしまい、そのあとの国家破綻。

 パタゴニアでは見えなかったことが、ブエノスアイレスで見えたような感じがしてなりません。

 空港への道からは、貧しそうな家並みも見えました。

 

 アルゲリッチやマラドーナも生んだ国。

 

 アルゼンチンには可能性があると思います。

 憂鬱さを吹き飛ばして、

 がんばれ、アルゼンチン!

 

 

 

南米にはもう一度、行ってみたいという思いが湧いてきました。

イースター、ガラパゴス諸島、パラグアイの羽蟻、アマゾン川、

自然もですが生き物や人間文化の営みに好奇心が次々と「お祭り」を欲していますね。

 

7月はスリランカ、9月はナミビアあたり。

国内では4月に東北地方の桜、7月は対馬で海遊び。

近くの山に登って身体を鍛えておきます。