先日、福島にある野口英世記念館に行ってきました。


野口英世さんといえば、千円札の人であります。

そして今年の7月に新しくなる千円札の人、細菌学者の北里柴三郎さんとも深い繋がりがあるようです。



野口英世さんに対して私は、


「子供の時に囲炉裏に落ちちゃって火傷で手が不自由になったけど、困難にも負けず努力で大きなことを成し遂げた人」


「黄熱病の研究の最中、自らも黄熱病に侵され志半ばに亡くなった人」


という、真面目一辺倒で努力の人なんだけどなんだか最終的に報われないような、失礼ながらそんな風なイメージを勝手に抱いていたんですが、この記念館を見学してガラッと印象が変わりました。


なんというか、人とのつながりで人生が大きく展開しているんです。

もちろんもともと学業に優れてはいたんですが、お金がなくて進学は諦めていたところを、卒業の試験官の先生の計らいで金銭的援助をしてもらったのをはじめとして、その後もキーパーソンとなる人物との出会いがあったからこそ、海外に渡り研究で大きな成果を上げることにつながっている。


海外渡航の際も船旅中、他の日本人が辞書を片手に外国語を覚えようとしているのに対して、野口英世さんは同じ船に乗っている外国人と直接会話を繰り返すことで、1番外国語がペラペラになったエピソードなどもありました。

出会う人との縁で、人生が大きく変わる。


出生時間が不明なのでハウスは読めないんですが、9ハウスが強調されていそうな気もしますし、チャートの西側(ディセンダント側)に天体の配置が目立っているのではと思いました。


また、見学中にひしひしと感じたのは、この方、

「金星」や「木星」が強そうなチャートなんじゃないかということです。



気になり、早速チャートを確認してみました。

出生時間は不明なのでアングルやハウスは使えません。


ネイタルチャートを見た時に、やっぱりパッと気になったのは「水星」です。

水星土星のトラインは研究者ぽいですし、物事の本質を探ることが得意な蠍の水星であることが、さらにそれっぽい。

太陽も蠍ですしね。

水星には海王星がオポジションです。

これを見て思ったのは、「仮説」を元に研究を進めそれを証明していくような能力がこの方は強かったんじゃないかということ。

新しい気づきって、想像力から生まれる気がしますし、普通だったらスルーしまう違和感をキャッチできる能力。

水星海王星で漠然と出てきた仮説を土星の忍耐力で証明していく。

そんな風に感じました。


太陽と土星はバイセプタイルでハーモニクス7でオーブを広めにとると発芽天体となるので、この辺りは努力の人の印象そのままですね。

私も同じくハーモニクス7でこの発芽天体を持っています。

野口英世記念館を後にする頃には野口さんのことがすごく好きになっていたんですが、勝手にシンパシーを感じるところがあったのかもしれません。

帰りに受付の前を通る際、少し前を歩いていた夫に対して「すごくここ(野口英世記念館)よかったね。私、野口英世さんのこと好きになったよ。」と話していたら、受付の女性が少しうれしそうにしていたのを見逃しませんでした。

※私の声は大きいとよく言われます。


同じくハーモニクス7では、火星木星天王星の発芽天体があります。

ここはそのまま科学者っぽい。

新しいことを発見することに情熱を注ぎ続けることができそうですし、ハーモニクス8では火星土星の発芽天体と天王星冥王星の発芽天体があるので、研究に対する底力が結果につながったり、未知の分野での社会的な影響力を感じます。


もちろん、ご本人の情報がある程度わかっている状態でチャートをよんでいるので、それっぽいところを抜き出して解釈しているというのもあります。


ただ、記念館を見学している際に感じた「金星」や「木星」の強調。


アングルが読めないのでなんともいえませんが、アスペクトとしては特別強調されている様子はありません。


ですが、エッシェンシャルディグニティをみると一目瞭然というか。


AstroGoldで出しています。

ドロセウスのエッシェンシャルディグニティを採用してるかんじですね。

「m」はミューチュアルリセプションになっているところだと思います。


「土星」の強さはご本人の既存のイメージとも一致するんですが、「金星」が飛び抜けてプラスによっています。


金星は天秤サインでドミサイルですし、魚の土星とミューチュアルリセプションになることで点数が高くなっています。

そして想像通り「木星」も射手にあり点数が高め。



エッシェンシャルディグニティについては最近だと鏡リュウジ先生の「占星術の教科書Ⅴ」にいけだ笑み先生が寄稿されていますが、私が占星術を学び始めた頃よりも目にすることが増えてきたように思います。

こちらの本でわかりやすく説明されているので、とっかかりとしてはおすすめです。




あと、こちらも予約しました。

いけだ笑み先生の本です。




私はちょうど1年ほど前に受けた占星術講座で、エッシェンシャルディグニティやリセプションなど古典占星術的な手法を学んだのですが、これを理解するとチャートのメリハリがより見えてくる気がしました。



野口英世さん。

人との縁で人生が大きく展開したように私は感じたと書きましたが、記念館の資料によると研究者以外の顔としては、絵や書もたしなんでいたようで、作品が展示されています。

自画像や奥さんの絵だったり、書道だったり。

金星は木星とセクスタイルです。


繰り返しますが、私にとっては努力の人というイメージで、悪くいえば「堅物」な印象が以前はあったんですが、それは子供向けの書籍などから得た「切り取られた部分」だったのかもしれません。


昭和に子供時代を過ごし、「伝記物」と言われるようなジャンルの本も読みましたが、やっぱり子供向けに書かれたものなので、「困難を努力で克服して成功した」という一部分だけをフューチャーした方がわかりやすいし、当時の日本人的感覚からしても、その方が教育的に都合が良かったんだろうと思います。



占星術の基本として、早い段階で学ぶのが「アスペクト」だと思いますし、「ソフト」と「ハード」という言葉についつい引っ張られがちになりますが、ハーモニクス、ハーフサム(ミッドポイント)、エッシェンシャルディグニティ、アクシデンタルディグニティ、リセプション等々、いろんな角度からホロスコープを見ていくと、本当に良い悪いなんてないのがわかります。


もし良い悪いがあるとしたら、それは他者との比較ではなく、その人の中での比較でしょうか。


すんなり使える部分と努力や訓練が必要だったりする部分。

人から受け入れられやすい資質とちょっと悪目立ちする資質。


でもこれは、置かれている環境や状況によりけりで、すんなり使える部分はそんなの当たり前と評価されなかったり、悪目立ちする部分こそがその場に必要になったりすることもあるわけです。

「歯に衣着せぬ物言い」がプラスになる場合もあればマイナスになる場合もある。

生きる環境を自分で選ぶことが難しかった時代には、悪目立ちする部分を活かせる環境に身を置くことができなかったかもしれませんが、今の時代は違います。



ホロスコープを「自分の取り扱い説明書」と表現しているのを見たことがありますが、なるほどーと思いました。


取説見なくても自分のことだからある程度はわかるけど、実は気づいていない機能が備わっているかもしれないし、取り扱い上の注意点もそこにはあるかもしれない。


車だって、メーカーや車種によって売りにする部分は違うと思いますが、広く一般層がターゲットになる平均的にバランスがとれた車もあれば、とある人にはすごく刺さるようなマニアックな車もあります。


エッシェンシャルディグニティのバランスに偏りがある人というのは、乗る人を選ぶマニアックな車なのかなと思います。


エッシェンシャルディグニティから簡易的に「自分のバランス」みたいなものがわかるので、「自分が活きる場所」みたいなものを考えてみるのもおもしろいかもしれません。