職場の後輩で、なんだか「自分に似ているなぁ」と感じる方がいます。
正確に言えば、「以前の自分に似てる」というかんじです。
例えば、新しい仕事に対する恐怖感や不安。
「成功」がイメージできず、失敗したらどうしようというマイナスなイメージだけがどんどん膨らんでいく。
表情が固まり、いっぱいいっぱいになっているのに気づいてしまう。
ああ、以前の私をみているようだな。
と思いつつ、ちょっと違うのは、私の場合はおそらくそれがそこまで表に出ていなかったということです。
内心はビクビクして今にも逃げ出したいのに、どうにか自分を奮い立たせて向き合っていたので、周囲はそんな部分を私に感じていなかったと思います。
それはアセンダント獅子であるが故かもしれません。
以前の私と似ているなぁと感じる後輩。
誕生日は伺いましたが、出生時間はわかりません。
なのでアセンダントはもちろん分からないのですが、月は確実に蠍サイン。
私の蟹の月もそうですが、水のエレメントの月というのは、新しいことに挑戦する時に期待よりも不安が大きくなりがちだと思います。
親子関係でも、水のエレメントの月を持つ親御さんは心配性になる傾向が強いです。
水は感情を司るエレメントなので、失敗して悲しい思いや挫折を経験させるくらいなら、無難でも安全圏で生きてほしいと願うかもしれません。
ですが、この後輩のチャートを見ると、太陽水星牡羊サイン、火星山羊サイン、金星双子サインとと、「チャレンジ」や「行動」がキーワードになるようなサインが並んでいます。
「太陽」は牡羊でエグザルテーションですし、「火星」も山羊でエグザルテーションでぱっと見、組織でリーダーになれそうな配置です。
個人天体に活動宮が多めなところは、自分と似ているかなとすぐに気づいたのですが、さらにみてみると。
「月蠍」の度数は分かりませんが、「太陽牡羊」とサインのみ関係で見た時に共通点がありません。
月蠍は、女性サイン・不動宮・水のエレメント
太陽牡羊は、男性サイン・活動宮・火のエレメント
これ、私も同様に
月蟹は、女性サイン・活動宮・水のエレメント
太陽水瓶は、男性サイン・不動宮・風のエレメント
150度の関係というのは、「太陽」が信じて目指す方向に対して、「月」の理解が難しい感覚が入ってくるので、迷いやすかったり自分のやることにいまいち自信が持てなかったりします。
ですが、そこを訓練していくことでだんだんと自分の持ち味になっていく。
2つのクインカンクスが頂点の天体で結ばれる「ヨッド」からもわかりますが、扱えるようになるためには、時間も必要ですし、だからといってただただ年齢を重ねたら扱えるようになるわけでもなく、失敗や違和感から学ぶことを繰り返すうちにようやく自分のものにできるかんじです。
また後輩のチャートには「太陽」と「土星」のかなり正確なバイセプタイルがありました。
これ、私にもあります。
バイセプタイルはハーモニクスの第7調波図でコンジャンクション(発芽天体)になりますが、太陽土星の発芽天体は松村潔先生の本によれば「壁にかかっている額縁がほんのちょっと曲がっている事がどうしても気になって真っ直ぐになるように直そうとする」組み合わせだという表現があり、「わかるー!」とめちゃくちゃ思いました。
そういうの見つけちゃうと、気になって気になって仕方がない。
床に落ちている髪の毛も気になって、すぐにコロコロでとらないと気が済みません。
ある意味、こういう部分って「生きにくさ」にもつながると思うんですが、発想を転換すれば「他の人が流してしまうような部分にも気づき、それを正しい状態に持っていこうとする資質」なわけです。
太陽土星は「堅実な生き方」ともいえますが、会社などの組織においては有利に働きやすい組み合わせなのではないかとは思いますし、水エレメントの月による不安や、太陽月の150度の関係による自信のなさも、このハーモニクス7のチャートの太陽土星の発芽天体とセットであることで、プラスに転換しやすくなっているのではないかと思います。
自分に似てるな、と思った後輩。
その後の成長には目を見張るものがあります。
本当にいろんなことに気が回るというか、他の人がスルーしがちな部分をしっかり拾ってくれる。
私も、体は一つですし時間的な事もあり、「気づいていてもできないこと」ってあるわけです。
もちろん誰かに依頼すればいいのですが、その説明さえも時間がとれないことってあったりします。
ですが、やっぱりこの後輩はそこに気付きます。
もともとの「いろいろ気にする資質」を「自信」がついたことで、すごく活かせるようになってきている。
おそらく他の記事でも書いていますが、「繊細なお子さん」って、守ることよりも経験を積ませて自信をつけさせることが大事なように思います。
大人になって、いきなり一人で階段を上まで登ることを要求するのではなく、ゆっくりペースでもいいから「自分一人でできた」という経験を少しずつ増やしていく。
繊細なお子さんほど、親が守る必要があると感じるかもしれませんが、そういう資質の強い子ほど、経験を積むことでその繊細さを活かせるようになる可能性が高いのではなんて思います。
ちょっと「キロン」っぽいかんじもしますね。