「火星を使おう」
「火星を意識しよう」
なんてよくいわれますし、私自身も火星に限らず天体というのは自分で使ってなんぼだとは思いますが、ネイタルチャートの火星の配置によっては、意識しなくてもスムーズな動きをしてくれる火星もあれば、そうではない火星もあるとは思います。
一概にはいえないのですが、火星と何か他の天体がハードアスペクトをとっていたりすると、道の状態に合わせたアクセルの調節がすんなりいきにくいというか、平坦なアスファルトの道路なのに踏み込みすぎてスピード超過で危険運転になってしまったり、逆に急な勾配の山道なのに思いっきりアクセルを踏み込むことを恐れてなかなか前に進めないなんてことがあるかもしれません。
そういった事を繰り返すうちに、徐々に「自分の火星の傾向」がわかるようになって、この場面ではこのくらい、とアクセルを踏む力加減がわかってくるのではないかと思います。
ただ「火星」という天体の性質を考えると、通常モードで常に発揮されているというよりも、窮地に陥った時だったり、他者を押し退けてでも手に入れたいものがある時など、ある意味なりふり構っていられない状態になってはじめてその力を最大限に使えるのではないかと考えます。
職場に月牡羊と火星山羊のタイトなスクエアをお持ちの方がいます。
火星山羊には土星蟹がオポジションです。
※この方は出生時間、出生地もはっきりしてるので月の度数は正確です。
この方、ご自分では「怒りが自分の原動力」とおっしゃるんですが、少なくとも仕事上はそんなふうには見えず、それは魚サインでコンジャンクションしている金星木星の影響もあるのかなとは思いますし、2ハウスの土星で自分の才能に自信を持ちにくいからこそ、火星を前面に感じにくいのかもしれません。
話を伺うと、月と火星のスクエアによる怒りの感情を外側にうまく出せず、その分自分の内側にむけることが多いようでもあります。
月牡羊が前に出れば、「もっとみんなの役に立てる自分にならないと」「目標達成の為には効率を考えないと」と火星山羊の視点が入ってくるだろうし、火星山羊が強く出ると「役割なんて放棄して自由にやりたい」「計画よりもとにかく実行」と月牡羊の感情が暴走しそうです。
ですが、この方の火星は山羊サインで、品位はエグザルテーションになりますし、月は牡羊サインで特に品位は良くありませんが、火星がアスペクトすることでリセプションとなりとてもいい状態の月になります。
スクエアの葛藤はあるものの、本来「火星風味の強い人」なので、使い方をコントロールできるようになれば、有効活用できそうな気もします。
この方、先日こちらでも書いた職場の同僚の休職直後、今までの姿が嘘のように場をうまくまとめようと火星力を発揮し始めました。
まだまだたどたどしいんですが、今までとは明らかに何かが違ってきている。
これからどうなる?
と「月」が不安に感じたのかもしれないです。
同じように不安を感じたのは私もですが、この方の場合は月に火星がアスペクトしているので、その不安を払拭する為に、「やるしかない」と腹を括ったのかもしれません。
窮地に立たされなければ、発揮することのできなかった火星。
どうにかしないとまずい!
と思う状態になることで、はじめて火星を外側に出していく事を意識し始めたのかも。
しかもこの方、もう少しで火星回帰を迎えます。
太陽水瓶の方で、ソーラーリターンの数時間後に火星回帰となりますので、このあたりも影響してるっぽい。
この方を見ていて、やっぱり「火星」というのは満たされている状態では最大限にその力を発揮する必要はなくて、強い欲求や不安をどうにかしたいが為に、リスクをとってでも動こうとする天体なんだと思いました。
現状に満足していたら、あえて挑戦はしないし変化も望みません。
そのかわり、火星のリスクを取りたくないばかりに、「満足しているふり」をしてしまうこともあるんじゃないかと思いました。
それはそれでその人の生き方だし、周りがとやかくいうことではありませんが、見ないふりした自分の本当の欲求って、それを実現させている人を見た時に、その人を羨む気持ちが時と場合によっては「火星の攻撃力」として表面化して、相手を傷つけたり非難することにつながったりするんじゃないかと想像します。
また自分で火星を使わない=がまんすることばかりしていると、周囲から攻撃の対象になったりするともいわれてます。
やっぱり自分自身の欲求を実現させる為に火星は使えたらいいなぁと思います。