「牡羊」サインを考える時、対向のサインである「天秤」サインと比較すると分かりやすいです。


牡羊の視点は「自分がどうしたいか」

天秤の視点は「相手と自分の調和、公平さ」


この場合はサインでいうとオポジションの関係なので、お互いのサインの性質は苦手とする部分だけど、葛藤しながらも取り入れていくことで成長につながります。

だけど、対向サインを意識しすぎると、そのサイン本来の良さが薄れてしまう。



では、「牡羊」と「水瓶」は、というと。

「火のエレメント」と「風のエレメント」で、アスペクトでいえば60度のセクスタイルの関係です。


火の昇っていこうとする性質と、風の拡散する性質は相性がいいので、お互いの性質を取り入れやすいです。

火は風に煽られると燃え広がるし、空気は熱で温められると、冷たい空気との気圧の差で風が吹きます。


「牡羊」と「水瓶」


どちらも「個」を大切にするサインです。

でもなぜそうなるのかは、それぞれ違いがあります。


「牡羊」は12サイン中、1番目です。

トップなので前例などありません。

どういう状況なのか、どんなことがリスクになるのか等の情報も少ない中、自分自身を信じて前に進もうとするようなサインです。


なので、新しい事に果敢に挑戦する勇気を備えています。

これは牡羊の支配星である「火星」にも言えることです。


牡羊のサビアンシンボル1度

「女性が水から上がり、アザラシも上がり彼女を抱く」


サビアンシンボル自体が、捉え方によっていろいろと見えてくるものだと思いますが、この牡羊1度は「新しい世界の中で戸惑いながらもスタートさせる」なんて解釈されたりもします。


初めてのことなので、何をどうすればいいのか分からない。

周りを見る余裕なんてありません。

というかそもそも、周りは目に入らないかも。

新しい世界で「自分」を確立することこそが、牡羊が目指すこと。


何かを判断するにも、情報もなければ経験もない。

生まれたばかりの赤ちゃんを牡羊サインに例える事は多いですが、泣いて自分を主張する事は生命の維持に必要不可欠ですし、教えられなくても母乳やミルクを飲む事は本能として備わっています。

草食動物の赤ちゃんなら、生まれてすぐに立てるようになるのも本能です。


生命維持の為の本能のみでそこに存在します。 


まだ考える事はできません。

考えるためには情報や判断材料が必要なので。


なので「直観」に従います。

「行動」しなければ、何も始まらないし、ただ待っていても、誰かが先導してくれるわけでもありません。


なので新しい世界で「個」を確立するために、自分で前に進もうとする。

牡羊が先頭に進む事で、後から続く人たちは「前に進んで大丈夫なんだ」と安心して、後に続くことができるのです。


本人は「リーダーシップ」を取るつもりがなくても、結果的に後に人が続く形になりやすいです。


なので、まだ他の人が気づいていない新しい可能性にいち早く着目し、その世界の先駆者になることもあります。

ちなみに完成度は高くなく、そこからクオリティを上げていくのは牡牛サインです。


周囲にしてみれば、これは最初は「異端」です。

無謀だという声が上がったり、バカにするような発言も聞かれるかもしれません。


でも牡羊は、そんな事は気にせず、自分の直観に従って行動します。


なので「個」が際立ちます。


意図はなくても「周囲と馴染まない」という事が

、結果的に個の確立となります。

場合によっては「悪目立ち」「自分勝手」と捉えられることもあるかもしれませんが、赤ちゃんをみても分かるように、そんなことに構っていられないわけです。



これは牡羊に限らず、「火のエレメント」に共通する事ですが、上に上に昇っていく「火」は簡単には周りを寄せ付けないのと同時に、暗闇の中での「目印」「合図」「希望の光」にもなりえるので、孤高の存在感を放っています。



では水瓶サインの「個」というと。


水瓶は12サイン中、11番目。

すでに山羊までの世界を経験しています。


牡羊が赤ちゃんなら、水瓶は現状の人間の人生に当てはめるとしたら定年後の時期にあたります。


山羊の社会のルールの中では、肩書きや看板が重視されます。

それは「政治家」「教師」「医者」「作家」等という職業的な括りになることもあれば、「〇〇会社の社長」なんてこともあります。

「主婦」「〇〇ちゃんのお母さん」なのでいうのも山羊の社会でのその人の「顔」です。


だけど、その肩書きや看板に隠された一人一人を見ていくと、それぞれ豊かな個性があるはずです。

水瓶サインはその「個性」を認め合おうとします。

自分にも「個」があるように、誰もが「個」をもっていて、それは決して他人が侵害してはいけないものだと考えます。


より良い未来を作るために、山羊の世界で制限されてきた「個」を発揮し、既存のルールに縛られない自由な世界を目指します。


「個」と「個」は完全に理解し合う事は難しいことも水瓶サインは知っています。

だから、仲良くしつつも距離を大事にしますし、去るものには執着しません。


それぞれの「個」を尊重し合う事が、みんなの為と思っています。


ここが水瓶とスクエアのサインである「蠍」と相容れない部分です。

蠍は融合したいので。



牡羊は「個」を確立しないと前に進めない。


水瓶は一旦山羊で捨てた「個」を取り戻して、

自分だけでなく、みんなの「個」を尊重していく。


そして水瓶サインの次の魚サインになると、

今度は「個」が無くなっていくのはまた不思議です。


魚サインの癒しの世界では、全てを救おうとするので、「個」による境界線はない方がいいのかもしれません。