こんにちは
先週と今週の「伊藤聡子と新潟の経営者」 は
合弁会社 グラミン・雪国まいたけ CEO 佐竹右行さんです。
以前もご紹介させていただきましたが、
(株)雪国まいたけが、
マイクロクレジットでノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさんと組んで
BOPビジネスをスタートさせ、世界から注目を集めています。
バングラデシュの貧困地帯で、農民にもやしの原料となる緑豆を栽培してもらい、
市場よりも高い価格で輸入し、日本で販売するというもので、
「もやしのきずな」という商品名で、
いよいよ今月から都内のスーパーで販売がスタートしました!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20130323/12/ito-satoko/ee/a6/j/o0640048012469354286.jpg?caw=800)
BOPというのは、Bottom(Base) of Pyramid の略で
世界の人口を年収でピラミッドにすると、
つまり底辺の年収3000ドル以下の貧困層が、7割(40億人)を占めるんです
年収2万ドル(200万円)以上の富裕層は、
頂点のほんのわずかな人々(1.75億人)なんですね。
日本で暮らしていることがいかに恵まれたことかがよくわかります・・・・
この層は、これまでは援助の対象でしかありませんでした。
が、援助というのはあくまでも援助側の事情が最優先されるものです
持続可能なものにするためには、
援助する側、援助される側、双方にとってメリットがある
Win-Winの関係を構築するべきでは?
という考え方で生み出されたのがBOPビジネスです
そして、
先進国では少子化でマーケットが縮小傾向にありますが、
貧困層は人口が多く、
マーケットの規模にすると5兆ドル=日本のGDPにも及ぶとあって、
一気に世界のビジネス界が注目するようにもなってきているのですね
特に、ユヌスさん率いるグラミングループとは
様々な世界のトップ企業が組みたいとラブコールを送っていますが、
ユヌスさんに
「これは貧困を解決できる持続可能なビジネスモデルだ!」
と、ゴーサインを出させるビジネスモデルはなかなかなくて、
実際は会うこともとても難しいそうなんです
そうですよね・・・。
今までのように、人件費が安いと言うだけの理由で途上国を利用するような形になってしまっては
国を荒廃させるだけですから・・・。
ところが、
佐竹さんが考えたビジネスモデルには
ユヌスさんも大絶賛
双方にとってのメリットがはっきりしていて、
これなら続いていく!と判断されたんですね
パッケージに自分の顔写真を使うこともOKしてくれました。
たとえばフランスのダノングループもグラミンと組んで
栄養改善を目的とした乳製品を販売していますが、
こちらにはユヌスさんユの字も使うことができていませんから、
いかにユヌスさんがこのビジネスモデルに感銘したかがわかりますね
では、バングラ・雪国まいたけがそれぞれどんな形でWin-Winなのかというと・・・
バングラデシュの農家にとっては
① 安定した価格で買い取ってもらえるので、収入が増える
② 農業指導をしてもらえるので、技術のボトムアップにつながる
③ メインの稲作の合間に作るので、米の収穫も減らず、合間に緑豆栽培をすることで、かえって丈夫な稲が育つ
④ 規格外の小さい緑豆は輸出せずほぼ原価で流通するので、緑豆カレーを食べる現地にとっては栄養改善にもなるし、流通の過程でさらなる雇用も生まれる。
一方、雪国まいたけにとっては
① 100%中国からの輸入に頼っていた緑豆のリスクを分散できる
② 値段も近年高騰していたので、価格変動を気にせずにすむ。
③ 豆の栽培から関わることにより、安心安全なもやしを提供できる。
④ 社会貢献に関わる企業姿勢と安全な食の提供で、信頼が高まる。
「グラミンもやし」の値段は、他のもやしと1円も差はないということなので、
消費者にとっても、購買行動で社会貢献ができることで満足感も得られます
しかし、
実際に文化も機構も政治情勢も・・・
何もかも違う国でビジネスを始めるということは
大変な苦労もあったようです。
そして、そもそも野村証券の伝説のやり手証券マンだった佐竹さんが
なぜ、スパッと会社を辞めて、
どんな思いで「雪国まいたけ」に来たのか?
などなど、
非常に興味深いお話が聞けていますので、
どうぞ放送をお聞きいただきたいと思います。
今日の放送終了後はポッドキャスト
でもお聞きいただけます
新潟県以外の方もどうぞ