こんにちは
今週と来週の「伊藤聡子と新潟の経営者」 は、
株式会社タカヨシ 代表取締役社長 高橋 春義 さんです。
タカヨシは、新潟市に本社を置く印刷会社です。
例えば・・・新潟に限らずもはや全国の百貨店でもおなじみの、加島屋さんの、あの丈夫な紙袋や箱。
何回も使い回しができるので私も重宝していますが、
まさにコレは、タカヨシの作品なんです。
そして、スーパーの生鮮食品に貼られている軽量ラベル(国産牛肉 500gとか・・)は、全国2位のシェアを誇り、差別化が難しい印刷業界にあって順調に業績を伸ばしている会社なのです。
この成長もさることながら、タカヨシが全国から注目されるようになったのは、
2000年に「経営品質賞」で、最高の新潟県知事賞を受賞したからです
印刷会社が受賞したのは初めてだったそうです。
タカヨシが評価された一番の要因は、「人づくり」そして「心の教育」。
「富の追求より幸せの共有」という言葉を、もっとも大切にしていると高橋社長はおっしゃいます。
創業は大正9年。もともとは父親の製本業を受け継ぐ形でスタートしましたが、持ち前のバイタリティでどんどんビジネスの領域をひろげていきました。
しかし、高橋社長の悩みは「人がどんどんやめていくこと。」
「昔の私は典型的な中小企業のワンマン社長でした。
うまくいかないと、いつも怒鳴って社員を責めていました。」
今の穏やかな笑顔からは想像できませんが、ご本人がそうおっしゃるのです。
そこで、高橋社長が取り組んだのは、まず自分を見つめ直し、自分自身が変わること。
そして、社員とともに考え、一体になって歩んでいく会社を目指したのです。
まず、タカヨシフィロソフィーというものを作り、経営理念を共有しました。
社員一人一人が、会社の目的と役割を常に意識しながら、主体的に仕事にとりくむことができるようにしたのです。
社是は 「至誠通天」
経営理念は、「高い理想と感謝の心 より良き品質 社会に貢献」
高橋社長とお話していても、常にまごころや感謝の言葉を口にされるのが印象的でした。
そういえば、V字回復のJALも、フィロソフィー手帳を作り、全員が携帯するようになりましたね。
しかしJALでも、最初は精神論を持ち出す稲盛会長に抵抗があったと言われています。
そんなことで会社が再生なんかするもんかと・・・。
でも、結果はどうでしょう。
一人一人の意識が変わることがいかに大事か・・・ということですね。
そして、基本中の基本でありながら、なかなか徹底しないのが「挨拶」。
元気よく挨拶する会社であることは、従業員のやる気があふれる環境になりますし、
外部からのお客様、そして営業においても、信頼を得られることになります。
さらに、高橋社長と自主的に手を上げた中堅社員で「タカヨシ塾」なる早朝勉強会を始めました。
月2回、早朝6時から8時まで、高橋社長が講師を務め、さらに社員と社長が率直に意見交換をできる場になっているそうです。
このタカヨシ塾に限らず、様々な対話の場が設けられ、新人研修も手厚く行われています。
「ウチは普通の会社の8倍くらい、人材教育にコストをかけている」と、おっしゃっていました。
人は会社の財産です。
いい人材が欲しいという会社はたくさんあります。
でもいい人材を自ら育てようとする会社がどれだけあるでしょうか?
人は必ず変わるし、成長できるという、高橋社長の社員を信じる心に、人はついてくるのだと思います。
高橋社長は現在86歳。
とても若々しくお元気で、こんなことをおっしゃってました。
「人間80を超えてからが一番成長できるって聞いたことがありましてね、
はっはっはっ
私もまだどれだけ変われるかな~とがんばっとるんですわ。
ふゎっはっはっは」
この元気な笑い声と無邪気な笑顔になんとも引き込まれしまいます。
是非お聞きください