こんにちは音譜


今週の「伊藤聡子と新潟の経営者 」は

株式会社 和僑商店 代表取締役社長 葉葺正幸さんです。



和僑商店といえば、銀座のおにぎり屋さん「銀座十石」でご存知の方も多いかもしれません。

最高の食材を使ったおいしいおにぎりで、人気を集めているあのおにぎりや屋さんですおにぎり


テレビ・雑誌の撮影現場などでお弁当としてよく注文され、私も、このおにぎり屋さんを手掛けているのが新潟の会社だと知ったのは、雑誌の撮影現場でした。


「ここのおにぎり、おいしくて話題なんですよ~。」と、編集の方がお昼にとってくださったのです。

あの秋元康さんが、ブルータスの企画「日本一のお土産」で2位に選んだことでも知られています。


さらに、2009年には「古町糀製造所」という糀ドリンクのお店を新潟の古町にオープン。

続いて自由が丘にも出店し、世の中に糀ブームが吹き荒れる中、その先駆けとしてメディアの話題も集めています。


というわけで、まさに今大注目の若手実業家、葉葺正幸さんにお話を伺っています。



社長の葉葺さんは1973年生まれの現在39歳。


小さい頃から商売人になりたいと思っていたといい、さらに面白いなぁと思ったのは、


「人生は学びの場。だから40歳までは、楽な道と辛い道があったら、絶対辛い道を選ぼう!と決めていたんです。」


とのこと・・・。う~ん、この時点でただものではありませんメラメラ


でも、本当にその言葉を実践しているんです目


大学卒業後、有名な大企業からも内定をもらっていましたが、

そちらを蹴って、小さくても大変でも商売ができる環境を!と、新潟のNSGグループに入社。


3年くらいたったころ、持ち前の人当たりの良さとバイタリティで営業成績がぐんぐんのびていった葉葺さんに、他社からヘッドハンティングの話が舞い込みます。


しかし、同時に、NSGグループ代表の池田弘氏から、

「新潟のために、新潟の米を使ったビジネスをやってくれないか?」という話をもちかけられたのです。


男性ですからお料理が得意なわけでもありません。お米を使ってビジネスっていっても・・・・と、

普通は条件のいい営業の仕事のほうを選んでしまいそうですよね?


でも葉葺さんは、「だったら辛そうな道を選ぼう」と、新潟のお米を使っておにぎりビジネスを始めることにしたのだそうです。



とはいえ、全くノウハウも作り方もわからないゼロからのスタート。

おにぎり屋さんに取材に行っては「帰れ!」と怒鳴られたり、塩をまかれたりする日々だったそうですしょぼん


そんな中で、話を聞いてくれたのが、銀座3丁目にあった銀座十石でした。

でも、親切で教えてくれようとしたのではありませんでした。

経営者が、「もう店を閉める予定だから、興味があるなら買ってほしい」ということだったのです。


そこで、お店の人にはそのまま残ってもらって、いろいろ教えてもらいながらおにぎりの販売をスタート。


高級食材にこだわり、1個180円という当時としては常識を超えた値段でしたが、

妥協しない姿勢はそのまま味の違いとしてストレートに出るので、わかる人からどんどん注目されるようになり、口コミでさらに広がっていったのです。



葉葺さんのお話を聞いていて感じるのは、純粋な想いは必ず人、事態を動かすということ。


もちろん色んな苦労も失敗も経験されていますし、

男がおにぎりを握ってていいのか・・・と悩み落ち込んだこともあるそうです。

再開発で本店の移転を余儀なくされたり、築地のお店が火事でやけてしまったり、不運にも見舞われています。


でも、そんなときには必ず手を差し伸べてくれる出会いがあったり、チャンスがあったり、そして、そのたびに飛躍を遂げていくのです。



葉葺さんに声をかけたNSG代表の池田弘さんも以前この番組でおっしゃっていました。


経営者にとって一番大事なのは「志」だと。


ビジネスは人と人とのつながり・・・。何に人は心動かされ、信頼をするかと言うと、

究極のところはやっぱり高い志なのではないでしょうか?


葉葺さんにそういう部分を感じたからこそ、池田さんは新潟のためになるような大きなミッションを託したのだと思います。




糀も、葉葺さんがおにぎりの具材の探求をする中で、たまたま新潟の味噌蔵や醤油蔵で出会った素材で、日本食の発酵文化にとって欠かせないものでした。


そして、糀から作られる甘酒は素晴らしい栄養源として、昔は夏バテを解消するために飲まれ、甘酒は夏の季語にもなっていますよね。


この素晴らしい素材を使って何かできないかと考えていたところへ、

池田さんが偶然にも、

「寂しくなってしまったかつての繁華街古町の活性化になるようなことはできないか?

また、甘酒をブランド化して新潟の特産にできないか?」という話をもちかけたことがきっかけで、

葉葺さんは迷わず「古町糀製造所」という糀ドリンクのお店をオープンさせたのです。



樹をふんだんに使ったお店はとても温かみがあり、古町の景観がとてもステキになりましたし、

何よりとても美味しくおしゃれで、しかも健康や美容にいいので女性に大人気です。


最初のミッションは新潟のお米を世に売り出すビジネス、ということだったかもしれませんが、

今や、日本の食を再認識し、新たに光を当てて食文化を作りだしていく、というさらに大きな社会的意義のあるビジネスに進化しているのが、葉葺さん率いる和僑商店です。



とても興味深いお話ですので、是非葉葺さんの生の声をお聞きください!