今日の「伊藤聡子と新潟の経営者」


洋食器で有名な燕市にある会社、


株式会社 遠藤製作所 代表取締役社長 重松 健 さんです。



遠藤製作所という名前は、直接的には私たち消費者にはあまりなじみがないかもしれません。


しかし、自動車の部品、高速レーザープリンター、そして、ゴルフクラブのヘッド・・・。


いわゆる「酷使」されるような部分に、耐えて、素晴らしい仕事をする製品を作らせたら右に出るものはいないビックリマークというくらい、独自のものすごい技術を持っていて、

一流メーカがOEMとして発注してやまないのが遠藤製作所なんですクラッカー


たとえば、私の趣味なところで言うと、ゴルフのヘッド。

OEM生産なので、はっきりここで名前を言えないのですが、

主要な国内、海外ブランドの高級品はここで作られていますし、

超一流プロゴルファーが使っているゴルフクラブのヘッドを、

オーダーメイドで作ったりしているのです目


高級品、と限定したのは、

ここの凄い技術というのは、「鍛造(たんぞう)」という技術なんです。


私なんかが使う安いゴルフクラブは「鋳造(ちゅうぞう)」といって、

金属を型に流し込んで作られるのですが、


プロが使うようなものは、まさに昔、刀を作るときに、何度も何度もトンテンカンして鍛えて作りだしたのと同じ製法で作られるんです。

これを、企業秘密ですが・・・ガシャン!と一発でやってしまうのだそうですよ目

そして、この「鍛造」という製法でつくったものは、よく飛ぶんだそうですニコニコ

ゴルファーのみなさん、魅力的な響きですねラブラブ



遠藤製作所の凄いところは、時代、ニーズに合わせて

燕伝統の技術を、多様な製品に生かし、新しい製品を提案してきたところです。


1947年の創業時はミシン部品、そこから測定検査技術を身につけ、

洋食器のプレス、そして現在の精密部品、ゴルフクラブのヘッドへと技術を進化させてきました。


現在はタイ・ベトナムに5つの工場を持ち、従業員2700人、売上160億円を誇るグローバル企業へと成長しました。



「守破離」という言葉、ご存知ですか?


伝統を守りながら、さらに他から技術を学ぶことで、さらに進化・発展させ、

さらに「守」にも「破」にもとらわれず、新しい世界に向かって独自のものを生み出せ!

という、武道の教えですが、


まさに、遠藤製作所はそれを体現しているような会社だと感じます。



そんな遠藤製作所が、去年から社長に重松健さんを迎えました。

重松社長は、なんと百貨店の老舗、三越の出身。

米国三越の社長を務め、帰国後は伊勢丹との統合事業を先頭に立って経験された方です。


重松さんのしなやかな国際感覚とともに、印象に残った言葉が

「製品の向こうのお客様を意識する製造業でなければならない」ということ。


遠藤の名は製品には刻まれないけれど、

製品を使うお客さんへの想いがなければより良い製品は生まれないし、

逆に、メーカーからだけではなく、製造業の方から新たな企画が生まれ、

スピード感をもって市場に出すことができるのです。


日本の地域には素晴らしい伝統技術がたくさんあります。

しかし、流れゆく時代の中で衰退していくものもたくさんありますしょぼん


伝統を守り、進化し、新たな価値を創造する。

遠藤製作所の取り組みが教えてくれることは、とても大きいのではないでしょうか?


是非聞いてみてください音譜