こんにちは
ゴールデンウィーク真っ只中ですが、今日は平日なのでお仕事という方も多かったかもしれませんね。
東京は今夜から激しい雨の予報が出ていて、明日も雨が続きそうです
車の事故が続いているので、お出かけの方はくれぐれも気をつけてくださいね
さて、事故といえば、連休初日に関越道で起きたバス事故は7人が死亡する最悪の事故になってしまいました
この事故は、日本が抱える様々な課題を考えさせられる要素をはらんでいるような気がします。
まず、デフレの危険性です。
今回の金沢ー東京間が3500円という安さであったこと、これはまさにデフレの象徴的な現象ですよね。
JRを利用すると13800円かかる距離が、3500円というのはどう考えてもあまりに安すぎます。
でも、とにかく「安く」提供することに価値が置かれ、消費者も「安さ」を選ぶ、そして「安さ合戦」になる。
その結果ギリギリとコストカットせざるをえず、労働側には重労働、低賃金が強いられる。
労働者も、どんどん安くなる賃金の中で消費活動をしようとすれば、やっぱり「安さ」を選ばざるを得ない。
そして企業は、やっぱり「安い」という価値ばかりを優先する経営に陥ってしまう・・・
悲しいデフレスパイラルです。
その結果、「安全」「信頼」という本来一番大切にすべきものが脇に追いやられていってしまうのです。
そして、こういう時に一番のしわ寄せが来るのは、下請けです。
今回のバスツアーも、ツアー会社の発注があっての運航です。
下請けのバス会社に無理をさせる値段での発注であることくらい、発注元であるツアー会社はわかっているはずです。
このご時世で断れないことも、またその値段で利益を出そうとすればどこを削ることになるかも・・・。
でも、何かあった場合も法律上の責任はバス会社にあるし、今回もツアー会社がそのようにコメントしている記事を見ました。
おかしくありませんか?
このケースに限った事ではありません。下請けのことを考えない経営が、あまりに横行し過ぎです。
そんなことをされて、どうして下請けが発注元のために一生懸命働くでしょうか?いいサービス、いい製品を提供しようなんて思うはずがありません。
そして、その結果もたらされる事故や会社への不信は、取り返しがつかないものになるにもかかわらず、そのリスクを甘く見ていると思います。
そして、もう一つ考えなければならないのは、外国人労働者の問題。
今回事故を起こした運転手は中国出身の人でした。
今日わかったのは、もともと彼は、中国からの外国人ツアー客のために中国語を話せることのメリットを買われて、このバス会社で雇われていたと言います。
ユニクロしかり、外国人顧客のニーズを満たそうとすれば外国人の力が必要になるのは当然のことです。
ところが震災以降、ツアー客がめっきり減って、会社は長距離バスの仕事を受けるようになり、この運転手も長距離バスの運転をさせられるようになったのだと言います。
おそらく今回、上信越道と関越道の分岐を間違えてしまったのでしょう。カーナビがあっても、慣れない道を走ればそういうことはいくらでも起こります。
道を間違えて遠回りをすれば、肉体的にも精神的にも疲れることは容易に想像できます。
また、バス会社は、「運転手にはその前に3日間の休みがあった」と言っていますが、彼は3日間の休みをどう過ごしていたのでしょうか?
よほどの特別な技能でもない限り、外国人労働者は厳しい労働条件で働くことが多いのが現実です。今の日本では、デフレの一番のしわ寄せとして使われている側面もあります。
ですから、収入の面でも、日本で家族と暮らしていくにはその他に仕事をしないといけなかったかもしれません。体を休めるどころか疲れた状態でバスの運航勤務に入った可能性は十分にあります。
グローバル化とともに働き手が激減するこれからの日本を考えたときに、日本国内における外国人の労働力はどうしても欠かせなくなります。
感情的な是非はあっても、様々な分野で外国人を受け入れ、その力に頼らざるを得ない場面がますます増えていくことにならざるをえないのです。
しかし、今の日本は決して外国人に優しくないですよね・・・。
彼らの立場に立った労働環境を整えることは企業の責任でもあると思います。
今回のケースでも、中国出身で日本語もそれほど堪能ではない運転手の状況をどれだけ把握したうえで、人の命を預かる仕事をさせていたのでしょう?企業側に彼の状況や不安などを想像することができていれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか?
今回の事故で、これから様々な規制の強化はもちろん必要になってくるでしょう。でも、それだけでは解決できない、日本の根本的な課題を突き付けられていると感じます
どんな業種にも共通の課題だと思いますから、こういう機会に個人でも、企業でも真剣に考えるべきではないでしょうか?