おはようございます晴れ


おととい内閣府の検討会が発表した南海トラフで3連動地震が起きた場合の震度と津波の想定。

週が明けても大きな波紋を広げているようです・・・。


私も新聞でそれぞれの市町村の震度や津波の高さを見て、正直衝撃を受けました。

震度7の地域は大幅に増え、津波の高さは10m以上がずらっと並び、高知県の黒潮町では34.4mの津波が想定されています。ちなみに、関東の近いところでは、品川が2.2m、鎌倉が9mという想定が出ていました。

これが河川を溯上してきた時は一体何mの高さになるのか、そして沿岸から何㎞まで到達するのか・・・考えただけでも怖いです。

しかも南海トラフは、日本列島から近いところにあるため、一番早くて2分で到達するということ汗

東日本大震災の時のことを考えると、まさに揺れている最中に津波が襲ってくることになります。


本当にこんなことが起きてしまう可能性があるのでしょうか・・・。


そもそも「南海トラフ」というのはフィリピン海プレートがユーラシアプレートにもぐりこんでいるところ。プレートは違いますが、地震の発生メカニズムとしては東日本大震災と同じことになります。

その移動速度は年に3~5cm。「南海トラフ」の西側ほど速い傾向が見られるそうで、地震の際岩盤がずれ動く量が西の地域ほど大きくなると推定されているようです。


これまでの南海トラフでの巨大地震は、

 

1605年 慶長地震(M7.9) → 南海・東南海・東海


1707年 宝永地震(M8.6) → 南海・ 東南海・東海


1854年 安政南海地震(M8.4) → 南海  

      安政東海地震(M8.4) → 東南海・東海


1944年 東南海地震(M7.9) →東南海


1946年 南海地震(M8.0) → 南海


今回想定される三連動ということになると、1854年から現在までに158年の空白域があるのですね。

前回、前々回がそれぞれ102年間、147年間での空白後ですから、確かに時間軸でいけば起きても不思議はないですね。


でも、どうしてM9.1もの想定が必要なのでしょう?

その後、三連動ではなくても東南海・南海には大きな地震が起きていて、エネルギーが解放されているのでは?とも思ってしまいます。


しかし、東大地震研の佐竹教授が以前から指摘されているのは、「滑り残し現象」なるものがあるということです。プレート境界は1度に完全に滑り切るのではなく、滑らずに残る部分があり、東日本大震災の宮城県沖の場合、平均37年間隔でプレート型地震が繰り返され、そのたびに滑り残しが、もぐりこみの速度から計算して平均2.6センチずつたまっていったといいます。今回17m滑ったということなので、約660年分の滑り残りが一気に滑り、超巨大地震が起きてしまったとのことなのです。

超巨大地震が繰り返されるこの長い周期を「スーパーサイクル」(超周期)と呼ぶのだそうで、もともと2004年のスマトラ沖地震の時にアメリカの学者が提唱していたものなのですが、残念ながら日本では去年まで真剣に検討されてはこなかったのですねしょぼん


そう考えると、同じ仕組みの南海トラフでも、「滑り残り」が相当溜まっているということが言えます。

ただ、フィリピン海プレートのもぐりこみの速度は太平洋プレートの半分くらいと見られているので、東日本大震災クラスの17mの滑りが溜まるのは単純計算で1300年くらいかかるはずですが・・・・いつから溜まっているのかはわかりませんもんねガーン


あくまでも今回はこの千年に1度の最大級の地震を想定したもので、これが近い将来に必ず来ると予想されるものではないことなので、正しく恐れるということが大切だとは思うのですが、

スーパーサイクル型の地震は去年実際に起きてしまいましたから、この想定に向けて防災対策を見直していくことが求められていくのだと思います。


堤防も、全てを破壊したあの津波のパワーを見せられた後では、ただ上に高くしても無理があるなぁ・・という気がします。根本的にどうやったら波のパワーを分散して逃がせるのかを考える必要がありますよね。

また、2分で到達するような場所では、もう避難ができないことを前提にした新たな対策を考えなければならないということだと思います。

日本列島で住私たちが安心して住んで生きていくためには、まだまだ国土の対策は脆弱であることは否めません。何かと問題視される公共事業ですが、ここだけは集中して対策を講じるべきだと思います。