おはようございます
今日と来週土曜日の事業創造大学院大学公開講座「伊藤聡子と新潟の経営者」は、
株式会社ハードオフコーポレーション代表取締役会長兼社長 山本善政さんです。
新潟からスタートし、今や全国へと展開しているハードオフコーポレーション、皆さんにとってもおなじみになってきているかもしれませんが、パソコン・カメラ・オーディオなどの中古品を扱うのが「HARD OFF」、ファッション・インテリアが「OFF HOUSE」、ブランド品・アクセサリーが「MODE OFF」、その他「GARAGE OFF」、「HOBBY OFF」、そして「BOOK OFF」のフランチャイジーと、その店舗数は全国667店舗にも上ります。
私も新潟の実家近くにハードオフがあるので、帰った時は思わずお店を覗いてしまいます
というのも、ハードオフがスゴイのは、今までのリサイクルショップの、「ごちゃごちゃしている」「なんとなく汚い」という概念を覆して、お店が広々ととてもキレイで、整然と並ぶ商品も新品同様にメンテナンスされているので、普通のお店で買い物をしている感覚で、しかも安い!という、お得気分を十分に味わえるからなんです
数年前に父がギターを始めたい!と、最初に練習用で買ったのも、ハードオフで買った1万円のギターでした
けっこうキレイでいい音が出てましたよ
山本さんにお聞きすると、感覚としては普通に新製品を作るのと一緒で、中古品を仕入れて、自社の工場で新しく製造する、という工程を経ているとのこと。
まさに、不用品がハードオフの工場を通ることで新しい命を吹き込まれて世に出ていくというわけです。
考えてみると、現代はモノであふれかえり、捨てるのにもお金がかかる時代です。ゴミ自体も減らさないと社会への影響はどんどん深刻になっていきます。
一方デフレで、なるべくいいものを安く買いたいという人も多い・・・。
ハードオフは、あらゆる人・社会・時代のニーズを満たしたビジネスモデルといえるのではないでしょうか?
ではなぜ、この様なビジネスモデルを思いついたのでしょう?
実は山本さんは最初からこのビジネスに行きついたわけではありません。
最初は「サウンド北越」というオーディオ機器のお店をやっていました。しかし、だんだん一般の家庭にもオーディオが普及し、さらにバブルがはじけて、需要は激減。1992年にはどん底に落ちてしまったのです。
一体何がいけなかったのか・・・・どんなビジネスが求められているのか・・・とことん真剣に考え抜く中で、オーディオ専門店の集まりで出会った坂本孝氏のことを思い出します。坂本氏もまた、オーディオ業界の衰退の中でどん底まで落ち、ブックオフコーポレーションを立ち上げたばかりでした。
その坂本氏を訪ね、いろんな話をする中で、ともにリユースビジネスの理想にむけてタッグを組むことになったのです。
そして、山本さんはゼロからのスタートにあたって、「何を大事にしていくか」という経営理念を徹底的に向き合って考えたそうです。
「それまでは結局正しい理念ではなかったから、お客さんに受け入れられなかったということなのでしょう・・・。」
山本さんは真摯にそう振り返りました。
そして山本さんは、ハードオフの理念として「4つのテスト」というものを掲げたのです。
① 社会のためになるか
② お客様のためになるか
③ 社員のためになるか
④ 会社のためになるか
優先順位①→②→③→④ そして4条件をすべて満たしているか
まさにハードオフはこの理念の通り存在し、社会にとって欠かせない存在になっています。
そして、日本においてリユースが当たり前の文化になっていくように・・・という大きな夢に向かって日々がんばっておられます。
お話からも山本さんのとても暖かい人柄を感じていただけると思います。
そして、その人柄ゆえなのでしょう。ピンチに陥った時に、まるで家族のように山本さんを助けてくれる人が現れるんですね。そのエピソードには思わずホロリときてしまいます。
やっぱり、どんな人生であっても「人格」というものがどれほど大切かということを考えさせられます。
皆さんも是非聞いてみてくださいね
http://www.fmkento.com/podcast/ito-satoko/